ヒト成長ホルモン監視へ…大リーグ血液検査導入

[ 2011年11月24日 06:00 ]

 大リーグ機構と選手会は22日(日本時間23日)、新労使協定締結に合意したと発表。禁止薬物のヒト成長ホルモン(HGH)検出に向けた血液検査導入が盛り込まれた。新協定の有効期間は5年間で、現行協定は12月11日で失効する。

 HGHは筋肉増強効果があるとされ、禁止薬物に規定されていたが、これまでの尿検査では検出が困難で米スポーツ界でのまん延が指摘されてきた。マイナーリーグでは昨年から血液検査が先行導入され、今年8月には初の摘発者も出ている。米スポーツ界初の導入にセリグ・コミッショナーは「スポーツ界にとって大きな意味がある。歴史的な日」と胸を張った。
 血液検査はオープン戦期間中に全選手を対象に実施され、シーズン中の検査も今後検討される。HGHに陽性反応を示した場合、他の禁止薬物と同様に1回目は50試合の出場停止となる。米メディアの中には、大量摘発を指摘する声もある。

 ▽ヒト成長ホルモン(HGH) 筋肉増強作用があるとされる禁止薬物。摘発が難しかったため、五輪でも検査が初めて導入されたのは04年アテネ大会だった。本来は成長ホルモンの分泌不足などで身長が伸びない子供の治療用などに使用されるが、長期的乱用は心筋症、高血圧、末端肥大症などの副作用をもたらす。大リーグでは元ヤンキースのアンディ・ペティットが、禁止薬物に規定される以前の02年に、左肘の故障回復目的で使用したことを認めている。

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2011年11月24日のニュース