最後にエースの矜持…杉内7回零封「やっと貢献できた」

[ 2011年11月21日 06:00 ]

<ソ・中>好投した先発の杉内

日本シリーズ第7戦 ソフトバンク3―0中日

(11月20日 ヤフーD)
 その瞬間、ソフトバンク・杉内は勢いよくベンチを飛び出した。マウンド付近でナインと抱擁を繰り返した。悔しさ、ふがいなさ…。全てが吹き飛び報われた瞬間だった。「やっとチームに貢献できた。ホッとしました」。この言葉に、思いは凝縮されていた。

 3勝3敗。勝った方が日本一という大一番。「9割方、きのう(第6戦)で決まると思っていた」という大役が回ってきた。初回を10球で3者凡退。3回に味方から1点の援護を受け、4回には女房役の山崎のシリーズ初安打初打点で勇気づけられた。

 7回2死一、二塁のピンチでは、藤井を早々と追い込み、ボールを挟んで115キロのチェンジアップで空振り三振を奪い、雄叫びを上げた。113球の熱投。7回3安打8奪三振無失点で救援陣にバトンを渡した。

 昨季まで4年間で15勝以上は3度と、絶対エースぶりを誇示してきた。ところが、今季は終盤に発症した左肩痛も影響し、5年ぶりに1桁の8勝(7敗)に終わった。悔しさばかりが募った。CS前のヤフードームの練習。福岡市内の自宅から約1時間かけて徒歩で球場入りした。熱くなるばかりの頭を冷やし「やっぱり勝てなければ面白くない」。勝利への渇望は誰よりも大きかった。

 プロ2年目で臨んだ03年日本シリーズは勢いだけで臨んだ。阪神相手に2勝を挙げ、MVPを獲得した。「あの時はまだ22、23歳だった。きょうの日本一は格別」。あれから8年。苦しんだ2011年。シリーズ優秀選手にも選ばれたが、気持ちはもう切り替えていた。「アジアシリーズが残っている。アジア一になれるように頑張る」。左腕はさらなる高みを見据えた。

 ▼ソフトバンク・山崎(杉内を好リードで4回には打点も挙げた)エースで勝たないといけない試合だった。自分は与えられた場所で全力を尽くすだけだと思っていた。

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