牛島和彦氏分析 森福“王道”外角攻め 踏み込めない右打者対応できず

[ 2011年11月17日 07:14 ]

<中・ソ>6回無死満塁から問う場し、打者3人を見事抑えた森福

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク2―1中日

(11月16日 ナゴヤD)
 森福が圧巻の無死満塁斬りで中日へ傾きかけた流れを止めた。ソフトバンクが2勝2敗のタイに戻した日本シリーズの第4戦。本紙評論家の牛島和彦氏(50)は1点リードの6回無死満塁で救援した2番手・森福の投球が最大の勝因と指摘した。外角に絶妙の球の出し入れをして絶体絶命のピンチを切り抜けたと分析。勝敗も内容も五分となって、第5戦以降は先発、リリーフの投手の使い方がシリーズの勝敗を分ける。

 あらゆる意味で森福がソフトバンクのピンチを救った。崩れそうなホールトンを6回まで引っ張ったのは、守護神・馬原が不安なリリーフ陣の負担を考えてのこと。それが無死満塁という絶体絶命のピンチになり、7回からリリーフ予定だった森福を前倒しで投入せざるを得なくなった。

 6回無死満塁から完璧な救援の森福 点差は1点。絶体絶命のピンチで森福はしっかり腕を振って行った。まだ25歳の若武者は今季60試合に登板。今年やってきたことでつけた自信が局面で生きた。まずゴロで併殺を考え、次に犠飛を打たせないこと。「無死満塁は意外に点にならない」という意識もあり、どういう気持ちで投げればいいかを分かっていた。

 森福の最大の武器は外角の球の出し入れだ。特に右打者には内角にクロスファイアで食い込む球を意識させ、外角に入ってくるスライダーと逃げるシュート。これが同じ軌道から来る。内角を意識させられて踏み込めない右打者は外角の出し入れに対応できない。

 まず代打の小池。第1戦のヒーローを1ボール2ストライクから外角へ138キロシュートで空振り三振に仕留めた。続く平田は内角スライダーで詰まらせて浅い左飛。最後は谷繁を外角シュートを引っかけさせて遊ゴロと計算通りに打ち取った。

 打線が追加点を奪えない中、森福は7回も続投して完全救援。秋山監督の起用に最高の形で応えた。これがファルケンボーグの今季初の2イニング救援につながった。中日へ傾く流れを断ち切ったのはまぎれもなく森福。第3戦で先発した摂津がリリーフに回れるソフトバンクは不振の馬原をカバーする計算も立った。

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