6回無死満塁斬り!森福“江夏の伝説”とダブる11球

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<中・ソ>6回2死満塁、谷繁を遊ゴロに打ち取りガッツポーズする森福

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク2-1中日

(11月16日 ナゴヤD)
 コナミ日本シリーズ2011は16日、ソフトバンクが初回にベテラン小久保裕紀内野手(40)の右前打などで挙げた2点を継投で守りきって連勝した。1点リードの6回、無死満塁の危機を迎えたが、2番手でマウンドに上がった左腕、森福允彦(まさひこ)投手(25)が後続の3打者をなで斬りにして勝利を呼び込んだ。伝説の「江夏の21球」をほうふつさせる「森福の11球」で、チームは対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。

 まさに絶体絶命。6回無死満塁の危機で立ちはだかったのが森福だった。内野は同点覚悟の併殺シフト。だが、マウンドに上がった1メートル71、65キロの痩身(そうしん)左腕は違った。

 「ゼロに抑えたいと思った。気持ち一本で向かって行きました」

 このシリーズの流れを変える「森福の11球」は第1戦で決勝ソロを放った小池から始まった。

 「自信がある球はシュート。丁寧に外を突いていこうと思った」。2球連続外角シュートで1ボール1ストライク。3球目は内角スライダーでファウルを誘い、外角の138キロシュートで空振り三振に仕留めた。迎えた平田への投球は細川と相談した。「内角好きだからボール球でも振ってくる」。2球続けた内角スライダーを打たせ、浅い左飛。最後はベテランの谷繁を外角中心の投球で遊ゴロに抑えた。11球で最大の危機をしのぐと、7回も3者凡退に仕留めた。

 昨年ロッテとのCSファイナルS第5戦。2―3の9回2死二塁から清田に被弾した。「あの一発があったから忘れないでいる」。今季は自己最多の60試合に登板し、防御率1・13。絶対的なセットアッパーとして、34ホールド1セーブを挙げた。秋山監督は「森福は経験をかなりしているし、本当に普段通りの投球をしてくれて、かなり助かりました」と称えた。

 愛知県出身。地元のお立ち台に立った森福は「気を引き締め投げていきたい」と言った。待ちに待った「シリーズ男」の誕生で、ソフトバンクが完全に息を吹き返した。

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