鶴岡 引き留め失敗 “ドタバタ”原巨人からFA流出も

[ 2011年11月17日 06:00 ]

球団との交渉後巨人・鶴岡は報道陣の前で心境を語る

 渡辺恒雄球団会長(85)と、清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM=61)の対立が表面化している巨人が、さらなる危機に見舞われた。チームの「第2捕手」である鶴岡一成捕手(34)が16日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、移籍を前提に今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することを球団に伝えた。

 3年連続のV逸だけは許されない来季の原巨人にとって、またもや頭の痛い問題が浮上した。

 「16年かかって取ったFA権。僕も悩みに悩んで言った言葉なので、そこを変えるつもりはないです」

 今季、正捕手阿部を陰で支えてきた鶴岡は、清武球団代表兼GMと笹本信二運営部長とで行った約30分間の契約更改交渉の席でも、移籍を前提としたFA権行使の気持ちをはっきりと伝えた。

 鶴岡は今季、阿部が左ふくらはぎ肉離れで離脱した影響で、プロ16年目で初の開幕マスクをかぶった。第2捕手としてチームを支えたが、出場はわずか34試合。「巨人には感謝している。レギュラーとして勝負したい」と周囲に話すなど、控えとして甘んじるよりも出場機会を求めてFA権の行使を決断した。交渉にあたった清武代表は強く慰留したが、鶴岡の気持ちを動かすことができなかった。

 15日に秋季キャンプ先の宮崎で2年契約に合意した原監督だが、同時に桃井恒和オーナーからは「3年連続V逸となったら、責任を取らなきゃいけない」と通告された。勝負のシーズンだというのに、今季の第2捕手だけでなくベテラン勢が他球団移籍ともなればあまりにも痛い。内紛の収束気配も見えないチームの現状。戦力補強どころか、来季のビジョンすらも見えてこない。

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