摂津先発転向で“変身” 秘密兵器のカーブで手玉に

[ 2011年11月16日 06:00 ]

<中・ソ>ウイニングボールを手に細川(左)とハイタッチする摂津

日本シリーズ第3戦 ソフトバンク4―2中日

(11月15日 ナゴヤD)
 本拠地で連敗。ソフトバンクは敗れれば王手をかけられる敵地の第3戦。そんな重圧を摂津がはねのけた。7回4安打1失点でシリーズ初登板初勝利。「きょう勝たないとピンチだと思っていた。結果がついて良かった。全く緊張せず、何も考えることなく投げられた」と試合後もポーカーフェースを崩さなかった。

 レギュラーシーズン同様、緩急がさえた。シンカー、そしてカーブで惑わせた。中継ぎ時代は目先を変える程度にしていたカーブは今季、先発に転向してから多投する。この試合22球を投げてボール球はわずか6球。ストライク率は驚異の73%をマーク。救援時代の摂津としか対戦していない中日打線を翻ろうした。6回1死二、三塁では内野ゴロの間に失点したが、3番の森野をシンカーで二ゴロ。7回は先頭のブランコに左前打されたが、和田を右飛、谷繁をシンカーで空振り三振。大島も左飛に仕留めて勢いを断った。

 8年間在籍したJR東日本東北の野球部は東日本大震災で被災。義援金も送り、後日見舞った際は肉親を亡くし、野球道具まで失ったチームメートを励ますつもりだった。だが、笑顔で迎えてくれた仲間に逆に勇気をもらった。そして10月の都市対抗ではその仲間が創部初の4強入りを果たした。苦境を乗り越えて大舞台で結果を残した元チームメートたちに負けるわけにはいかなかった。

 第3戦先発は、シリーズが6、7戦にもつれ込んだ場合に救援登板を見込んだ起用でもある。「普段通りやるだけです」。まだ、1勝しただけ。試合後の摂津に笑顔はなかったが、この男の力投が逆転日本一の可能性を引き寄せたのは、紛れもない事実だ。

 ≪球団8年ぶり9人目≫シリーズ初登板の摂津(ソ)が7回1失点で勝利。初登板初勝利は03年第2戦の杉内以来、球団8年ぶり9人目(先発7人目)。また他球団を含め、チームの連敗スタート後の1勝目を初登板初勝利で飾ったのは50年真田(松竹)、89年香田(巨=3連敗)、00年上原(巨)に次ぎ4人目だ。ソフトバンクは第1戦で和田が8回1失点、第2戦で杉内が7回2/3を1失点。3試合連続で先発投手が7回以上を投げ1失点以下は、51年第1~3戦の巨人以来60年ぶり2チーム目。前回の巨人は藤本、別所、松田と3人とも勝利を手にしたが、ソフトバンクは摂津がようやく初白星となった。

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