犠飛打てなかった谷繁…12残塁の打線を象徴

[ 2011年11月5日 06:00 ]

<中・ヤ>7回1死一、三塁、谷繁(手前)が三振に倒れベンチの落合監督(中)は厳しい表情

セ・リーグCSファイナルS第3戦 中日1-2ヤクルト

(11月4日 ナゴヤD)
 短期決戦には、逃してはいけない1球がある。1点差の7回。中日はそんな1球を逃して連敗を喫した。1死一、三塁で打席に谷繁。外野フライで同点の場面だった。

 追いつけば強力なリリーフ陣で引き分けに持ち込める。シーズン1位の中日にとって引き分けは勝ちと同等。そんな中で1ボールから押本の投じた2球目は、真ん中高めに来た。外野フライには絶好の131キロスライダーに、谷繁のバットは反応できなかった。

 「駆け引きに負けた。もっと違う球で誘ってくるだろうと…。ちょっと消極的になった。振りにいかないと駄目だね」

 続く3球目の厳しい外角スライダーをファウルし、最後はフォークで空振り三振。「あの打席で外野フライにできるのはあれ(2球目)だけだった」。谷繁はシーズン終盤に5番に座り、勝負強い打撃で逆転Vの立役者となった1人だ。そのベテランが絶好機に絶好球を逃した。考えすぎて、普段なら自然に反応する球に体が動かない。12残塁の打線を象徴するシーンだ。「足は動いてるよ。ただ、気持ちは引っ込みすぎてもきょうのように出すぎても駄目。足と一緒にならないと」と落合監督。アドバンテージを含めて2勝2敗のタイ。ここから気持ちと体のバランスが勝負を分ける。

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2011年11月5日のニュース