“完全男”森内KOも…JR東日本東北16年ぶり8強

[ 2011年10月30日 06:00 ]

延長で準々決勝進出を決め、喜ぶ先発の森内(16)らJR東日本東北ナイン

都市対抗野球第7日 JR東日本東北6―3西濃運輸

(10月29日 京セラD)
 2回戦3試合が行われ、東日本大震災で被災した東北地区代表でJR東日本東北(仙台市)の森内寿春投手(26)が6回途中まで2失点。24日の三菱重工横浜(横浜市)との1回戦で54年ぶり史上2人目の完全試合を達成し、27日のドラフト会議で日本ハムに5位指名された右腕の力投と打線の援護で、16年ぶりの準々決勝進出を決めた。また、三菱重工広島(広島市)が15年ぶり、JR東日本(東京都)も4年ぶりの8強入り。8強が出そろい、30日は準々決勝4試合が行われる。

 シンデレラボーイは苦笑交じりに振り返った。

 「調子は悪かった。(ドラフト)指名が間違いではないと証明しようとプレッシャーがあった。ボールがうまく指に掛からなかった」

 持ち味の制球が定まらない。2回に2死から四球を与えて初戦から続いたパーフェクトが途切れると、3回に今大会35人目の打者との対戦で初安打を浴びた。4回には先制適時打を許し、6回に2点目を失ったところで降板した。

 自らの偉業で人生が変わった。24日の三菱重工横浜戦で、54年ぶり史上2人目の完全試合を達成した。それまでプロからの話は一度もなかったが、その日を境に一変。翌日には楽天など3球団からドラフト指名候補としてリストアップしたいとの問い合わせがあり、27日のドラフトでは日本ハムから5位指名された。「あの日(24日)が全てかなと思う」。その言葉には実感がこもった。

 森内は入社5年目で、仙台支社運輸車両部の企画グループに所属。応援に駆け付けた上司の松本隆課長(55)は「部の誇りに思うし、支社に希望を与えてくれた」と満面の笑み。職場では「余計なことは言わず、黙々と仕事をするタイプ」だという。

 完全試合達成の翌日は、社員が新聞を買い集めるなど反響は大きかった。亀田俊彦副課長(47)は「彼の話で持ちきり。明るい話題が増えるのはいい」と話した。震災から7カ月が過ぎても、営業運転できていない路線は沿岸部に数多い。一歩ずつ復旧へ向かう東北へ、さわやかな便りを届け続ける森内は「周りも喜んでくれているので、力にしたい」と、チーム初の4強に向けて意気込んだ。

 ▼西濃運輸・後藤寿彦監督(延長10回に失策で決勝点を与える)森内君はある程度攻略することができたと思う。勝たせてやりたかったが、大きな試合で何でもないエラーが出るとね。

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