レンジャーズ初の世界一王手!

[ 2011年10月26日 06:00 ]

<レンジャーズ・カージナルス>8回、適時打を放つナポリ

ワールドシリーズ第5戦 レンジャーズ4―2カージナルス

(10月24日 アーリントン)
 さあ、初の世界一へ王手!レンジャーズは24日(日本時間25日)、ワールドシリーズ第5戦でカージナルスを4―2で下した。同点の8回にマイク・ナポリ捕手(29)が右中間へ決勝二塁打。今季エンゼルスから移籍したナポリは今シリーズ9打点で、MVPの最有力候補ともなった。第6戦は26日(日本時間27日)にセントルイスで行われ、球団創設51年目で初の世界一を目指してレ軍は元広島のコルビー・ルイス投手(32)が先発する。

 神風、ならぬ神の声か。スタンドから降り注ぐ「ナポリ、ナポリ」の大歓声。殊勲の8番打者は何度も手を叩きながら二塁に到達した。同点の8回1死満塁。スライダーをはじき返した打球は右中間を破った。初の世界一に王手。本拠地のコールは鳴りやまなかった。

 「名前を合唱されるのはもちろん好き。でも、もう慣れちゃったかな」。守っても捕手として7、9回に二塁盗塁を封じた。第4戦の3ランに続く活躍で、今シリーズは5試合中4試合で2打点以上を記録。ワールドシリーズで4試合の複数打点は60年ミッキー・マントル(ヤンキース)以来2人目で、MVP最有力候補にも躍り出た。

 5万1459人のファンの大歓声が、勝利への追い風になった。ナポリを迎えた場面で、カ軍ベンチは左腕ゼプチンスキーに代えて抑え右腕のモットを起用する予定だった。しかし続投。カ軍のトニー・ラルーサ監督は「歓声が大きくて、準備の指示の連絡をコーチが間違えた」と苦渋の表情で振り返った。1度目は電話連絡の声がはっきり届かず、2度目の電話もコーチが聞き違え、準備を開始したのはモットではなくリンだった。「右腕が来るかな、と思ったけど来なかった。声援が後押ししてくれた」とナポリも感謝感激だ。

 昨季まで所属したエンゼルスでは、配球面も細かく指示するマイク・ソーシア監督下で積極性が失われていた。しかしレ軍に移籍した今季は打率・320、30本、75打点と自己最高を記録。「自由があって心地よく野球ができているよ」。塁上でベンチへ向けて手首を曲げ、肘の下に片手を添える「シッティング・ダッグ(座ったアヒル)」ポーズはチーム内に浸透。新天地でムードメーカーの役割も担っている。

 「僕たちは自信を持っている」とナポリ。26日、敵地セントルイスで一気に頂点へ駆け上る。

 ≪不吉なデータ≫1903年のワールドシリーズ創設以来、7回戦制(9回戦制だった1903、19~21年を除く)で3勝2敗と先に王手をかけた58チームのうち40チーム(69・0%)が頂点に立っている。しかし3勝2敗で敵地に乗り込んだ場合、世界一は32チーム中20チーム(62・5%)と確率が減少。さらに敵地で第6戦を落とすと23チーム中11チーム(47・8%)と、逆に不利な状況に立たされる。このケースでは75年にレッズが世界一になって以降、7チーム続けて連敗で世界一を逃しており、レ軍にとっては不吉なデータだ。

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2011年10月26日のニュース