明大・野村3球三振締め 御大生誕100周年に完全V

[ 2011年10月25日 06:00 ]

<東大・明大>東大を破り優勝!!胴上げされ笑顔を見せる野村

東京六大学野球第7週第2日 明大7―3東大

(10月24日 神宮)
 明大が4季ぶり34度目の優勝を、5大学から勝ち点を奪う完全優勝で果たした。今季6勝とチームをけん引したドラフト1位候補のエース野村祐輔投手(4年)は、9回から登板。最後の打者を3球三振に仕留めて4年間の有終の美を飾った。明大創立130年、故島岡吉郎元監督の生誕100周年という節目の年を優勝という最高の結果で終えた右腕は、27日に運命のドラフトを迎える。
【試合結果】

 最後の打者を三振に仕留め、捕手がマウンドに走り寄る。両手で受け止める自分。次々に駆け寄る仲間たち。常にイメージしてきたその瞬間がついに実現した。あっという間に歓喜の輪にのみこまれた野村は、心の底からうれしそうにした。

 「これを目標にしてきましたから。春に悔しい思いをしたので、絶対にやり返してやろうと思ってました。リーグ戦の最後をマウンドで終われてうれしいです」

 第1試合で法大が敗れた時点で優勝が決まった。前日に6勝目を挙げて、ベンチで戦況を見守っていた野村は、善波達也監督から「最後いくぞ」と声をかけられた。「言われなかったら自分から言おうと思っていました」。最後の瞬間はマウンドにいたかった。

 今春は5勝3敗。相手エースに初戦は全て勝ちながら、いずれも3回戦で3敗を喫した。体力には自信があったが何かを変える必要を感じた。「筋肉が硬くなるのが嫌だった」と避けていたウエートトレーニングを積極的に採用。スクワット系のメニューで下半身を徹底的に鍛え抜いたことで球威は落ちなくなった。今季3回戦にもつれこんだ全3戦で白星。効果はてきめんだった。

 史上7人目の30勝&300奪三振を達成。通算358奪三振は歴代7位だ。秋山登、星野仙一ら過去の大エースに、ひけを取らない成績でリーグ戦全日程を終えた。今年は大学創立130周年。「御大」こと故島岡監督の生誕100周年という節目の年の優勝に野村は「そういう節目の年に勝ちたい」と話した。

 島岡御大が逝去した89年生まれ。伝統のエースナンバー「11」の責任を果たした右腕は、満を持して運命のドラフトを迎える。

 ◆野村 祐輔(のむら・ゆうすけ)1989年(平元)6月24日、岡山県生まれの22歳。広陵3年夏の甲子園は、決勝戦で佐賀北に逆転負けを喫して準優勝。明大1年秋に、規定投球回に達した投手としては史上5人目の防御率0・00を達成。昨秋は2度目の最優秀防御率を獲得した。リーグ戦通算成績は65試合30勝12敗、防御率1・92。1メートル77、72キロ、右投げ右打ち。

 ▼広陵・中井哲之監督(野村の高校時代の恩師) 彼にとっては通過点でしょう。これで気持ち良く次のステップに向かってほしい。やれるとは思っていたけど、こんなに成績を残すとは思っていなかった。

 ▼東大・御手洗健治監督(3点リードを逆転されて10戦全敗で最下位)勝ちゲームだと思ったが、やはり投手が最終的に抑えないと。今季は投打がかみ合わなかった。

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2011年10月25日のニュース