東芝連覇へ “野手歴10カ月”の服部がGo砲!

[ 2011年10月23日 06:00 ]

<東芝・三菱重工神戸>1回、先制3ランを放ち、3塁を回る東芝・服部

第82回都市対抗野球第1日 東芝4-0三菱重工神戸

(10月22日 京セラD)
 京セラドームで開幕し、1回戦3試合が行われた。当初は8月26日から東京ドームで行われる予定だったが、東日本大震災の影響で約2カ月遅れ、東京以外では初の開催となった。開幕戦では、昨年覇者の東芝(推薦)が、今年1月に投手から野手に転向した服部政樹内野手(25)の大会第1号となる先制3ランで三菱重工神戸(神戸市)に4―0で快勝。第3試合には、震災で被害を受けた東北地区代表の七十七銀行(仙台市)が登場したが、日本生命(大阪市)に敗れた。
【試合結果】

 服部の快音で「秋の都市対抗」が幕開けだ。初回1死一、二塁のフルカウントからの6球目。真ん中高めに入ったスライダーを強振すると、打球は弾丸ライナーで右翼席へ突き刺さった。

 昨年の大会は投手として中継ぎで1試合に登板した異色の4番は「打球が低くて入らないと思ったけど、試合の流れをつくれてうれしい。最初の打席で一本出てホッとした」と笑顔。戦いの舞台が大阪に移っても、王者の力強さは健在だった。

 今年1月に投手の練習メニューの一環で野手の練習に入ったことが印出順彦監督の目に留まった。九州共立大時代は指名打者制のため、打席にすら入ったことがなかったが、1メートル88、82キロの恵まれた体格と、思い切りの良さを買われて打撃練習で快音を連発。オープン戦から一塁手として起用されると、わずか10カ月で都市対抗に「4番・一塁」で出場。今秋ドラフト上位候補の安達が3打数無安打に終わる中、値千金の一発を放った。

 東日本大震災の影響で開催が10月までずれ込み、予選免除での推薦出場だったため実戦不足が不安材料だった。だが、昨年覇者として日本野球連盟の推薦でワールドベースボールチャレンジ国際大会(7月、カナダ)に参加。服部は同大会で22打数3安打に終わったが「ガチンコ勝負のいい経験ができた」と手応えを口にする。また、8月には岩手県大船渡市で野球教室を開催した。被災地の惨状を目の当たりにし、印出監督は「いろんな経験を糧に試合に臨んでいる」とナインの成長を感じ取っていた。

 頼もしい新戦力が台頭してきた王者・東芝。開幕戦快勝の勢いで、61、62年の日本石油(現JX―ENEOS)以来の連覇へ向けて加速する。

 ◆服部 政樹(はっとり・まさき)1986年(昭61)6月15日、福岡県出身の25歳。九産大九州から九州共立大に進学。09年に東芝に入社。昨年の都市対抗では準々決勝のJFE東日本戦で3番手として登板し、1回2安打1失点。1メートル88、82キロ。左投げ左打ち。

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2011年10月23日のニュース