FA決断!岩隈メジャー再挑戦 全30球団「どこでも」

[ 2011年10月20日 06:00 ]

<楽・ロ>岩隈(右)はセレモニーで唇をかみしめながらファンに手を振る

 楽天・岩隈久志投手(30)が今オフ、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使して大リーグ移籍に再挑戦することが19日、分かった。昨オフはポスティング・システム(入札制度)を利用して移籍を目指したが、アスレチックスとの入団交渉が決裂。全30球団との交渉に応じる考えの岩隈に対して、すでにパイレーツなど5球団が獲得に積極的な姿勢を示している。

 今季最終戦となった本拠地のKスタ宮城。ロッテ戦を終えた岩隈は慎重に言葉を選んだ。

 「今はまだシーズンが終わったばかり。考える時間もあるので、今後についてはゆっくり考えたいと思います」と自身の去就について明言することはなかった。だが、メジャー挑戦の決意は固まっている。FA申請ができるのは日本シリーズ終了翌日から。すでに親しい関係者には「去年は交渉が決裂してメジャーに行くことができなかったけど、挑戦したい気持ちは変わらない。FA権を行使してメジャーでプレーしたい」と漏らしている。

 昨オフはポスティング・システムを利用して大リーグ移籍を目指した。入札で独占交渉権を得たアスレチックスと交渉したが、最終的に条件が折り合わずに決裂。自らの夢は一時封印して楽天残留を決めた。今季はプレーに集中しながらも、8月には代理人を団野村氏から米国人のポール・コブ氏に変更するなど、オフの移籍を見据えて環境を整えてきた。

 岩隈は「自分を必要としてくれる球団ならどこでも構わない」と周囲に話しており、昨オフは決裂したアスレチックスを含む、全30球団と交渉に応じる考えだ。

 球界再編を経て誕生した05年の球団創設時から「絶対エース」としてチームを支えてきた岩隈。12年間で沢村賞、MVPなど数々の栄光を獲得してきた右腕が、いよいよ海を渡る。

 ◆岩隈 久志(いわくま・ひさし)1981年(昭56)4月12日、東京都生まれの30歳。堀越3年夏の西東京大会4強。99年ドラフト5位で近鉄入団。04年の球界再編で近鉄とオリックスが合併し、楽天へ金銭トレードで移籍。最多勝、最高勝率、ベストナインを2度、沢村賞、MVP、最優秀防御率を1度ずつ受賞。家族は夫人と1男2女。1メートル90、77キロ。右投げ右打ち。

 ≪昨オフの岩隈≫昨年11月1日、楽天が岩隈をポスティング・システム(入札制度)にかけることを申請する文書をコミッショナー事務局に送付。同8日に大リーグ機構からアスレチックスの独占交渉権獲得が発表された。応札額は1910万ドル(当時約15億8530万円)とみられていた。その後、ア軍は4年総額1525万ドル(当時約12億6600万円)の条件を提示。希望と隔たりがあったとして岩隈側は再交渉を望んだが、ア軍が以降の話し合いを拒んで交渉は決裂。米東部時間の12月7日午前0時で期限切れとなった。98年創設の同制度で応札球団と交渉がまとまらなかった初のケースになった。

 ≪FA宣言の流れ≫FA権を行使する場合は、日本シリーズ(11月12日開幕)終了の翌日から土、日曜日と祝日を除く7日間以内に、在籍球団へ通知を行う。申請手続き締め切り日の翌日に、コミッショナーからFA宣言選手として公示され、さらにその翌日から在籍していた球団以外との契約交渉が解禁となる。

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2011年10月20日のニュース