球団史上初の連覇!中日・落合監督「扉を開いた」

[ 2011年10月19日 06:00 ]

<横・中>球団史上初の連覇を達成し、ナインに胴上げされる落合監督

セ・リーグ 中日3-3横浜

(10月18日 横浜)
 今季限りでの退任が決まっている中日・落合博満監督(57)が、退任の花道を球団史上初の連覇で飾った。優勝マジックを1としていた中日は18日、横浜と3―3で引き分け、2年連続9度目のリーグ制覇を果たした。昨季の最大8ゲーム差を上回る10ゲーム差をひっくり返しての栄冠。コーチや2軍監督を経験せずに監督となり、中日を率いて8シーズン。4度目のリーグ優勝に導き、「名将」の評価を揺るぎないものとした。
【試合結果 順位表 CS日程】

 球場全体を包む落合コール。ほほ笑みをたたえながらベンチを出てきた落合監督は手を叩いて歓喜の輪に飛び込んだ。ハマの夜空に、落合監督の体が1回、2回…、6回、宙に舞う。13日にマジック2としてリーグ連覇に王手をかけてから5日。生みの苦しみを味わった分、歓喜の瞬間もまた格別だった。

 「私も(この瞬間を)待っていました。ドラゴンズは今年で75周年になるが、連覇は4分の3世紀で一回もない。やっと扉を開いた。就任した04年からの練習量の差。うちの選手に私の個人記録を抜ける選手はいないが、優勝するという部分では私よりはるかに上。本当に素晴らしい選手、褒めてやります」

 山あり谷ありのシーズンではあったが、開幕から142試合目で栄冠をつかんだ。

 9月22日。4・5ゲーム差を追い掛け、首位ヤクルトを本拠地に迎えた4連戦の試合前だった。球団から自身の今季限りでの退任が発表された。大一番を控えたチームに激震が走るかと思われたが、逆襲はここから始まった。退任発表後のチームは15勝6敗3分け。落合監督は「あいつらは誰のために野球をしてるんだ?自分たちの生活のためだろ。普通だったら(優勝争いの渦中で退任発表などあれば)ボロボロになるんだろうけど、オレはそういう教育はしてきていないから」。就任時と比べものにならないほどに、チームは「大人の軍団」へと変貌を遂げていた。それは「(練習を)やったやつだけが生き残る」と常に選手に競争を促してきた成果だった。

 指揮官として勝負に徹し、確かな目で勝負手を打った。8月25日のヤクルト戦(神宮)。正捕手の谷繁をプロ23年目で初めて「5番・一塁」で起用。谷繁は3打数2安打で、勝利に貢献した。「選手は必ずSOSを出す。それを見逃さないでやること」。9月18日には打率2割前半と低迷していた昨季MVPの和田を出場選手登録から外した。2軍調整を経て10日で戻った和田は、復帰後10試合で32打数11安打9打点と調子を取り戻した。優勝に王手をかけたヤクルト戦(ナゴヤドーム)でも、「きょうだけだ」と打撃不振の森野を3年ぶりにスタメンから外した。

 「(東日本大震災で)日程が変わった時に、10月の名古屋での10連戦が勝負だと思っていた」。その見立て通り、同10連戦を2位ヤクルトに4連勝を含む8勝1敗1分けで乗り切った。

 指導者として卓越した手腕を発揮しながらも、現場主導の人事や観客動員減少などで球団との溝は年々深まった。そして、3年契約の最終年とはいえ、指揮した8年間で4度のリーグ制覇を果たしながら、事実上の「解任」となった落合監督。ただ、ラストシーズンで球団史上初のリーグ連覇に導いたことで、「プロ野球とは、優勝を目指してできる限りの努力をする場」との持論をあらためて結実させた。

 「名選手、名監督にあらず」の言葉は落合博満という男には当てはまらない。連覇しながら監督が退任するのはセ・リーグ史上初。またシーズン中に退任が決まりながら、日本一になった監督は球史にいない。「(退任は)選手にはまだ伝えていない。シーズン最後のゲームが終わって言えばいい。このメンバーで日本シリーズも勝ち取りたい」。前例のない花道を飾るのも、また、オレ流だ。

 ≪退任監督のリーグ制覇は2人目≫シーズン中に退任が発表された監督がリーグ優勝を果たすのは、07年パ・リーグの日本ハムのトレイ・ヒルマン監督(48=現ドジャース・ベンチコーチ)以来となる。ヒルマン監督は07年9月上旬に子供の教育環境などを理由にシーズン後の退任を表明。チームはそこからリーグ2連覇を達成した。CSも勝ち抜いたが、日本シリーズでは2年連続で顔を合わせた中日に1勝4敗で屈した。

 ≪引き分けでV決定は26年ぶり≫中日が引き分けで優勝を決めた。過去、引き分けで優勝は阪神が85年10月16日ヤクルト戦(延長10回5―5)で記録したのがあるだけ。中日は26年ぶり2度目になる。パでは2期制時の75年前期阪急、79年前期近鉄、同年後期阪急と引き分けで優勝しているが、長期1シーズンでは1度もない。

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