ヤクルトのキーマン バレンティン 打率最下位のキング誕生なるか

[ 2011年10月18日 10:30 ]

 優勝にわずかな望みをつなぐヤクルト。厳しい状況とはいえここまで上位を走ってきたのは従来の戦力に加えて、新外国人バレンティンの貢献度が大きい。持ち前の爆発力を短期決戦でも発揮できるか。

 バレンティンの来日1年目は、浮き沈みの激しいシーズンだったといえそうだ。開幕から約2カ月は打撃主要3部門でリーグ上位を争い、6月16日までは打率・325でトップ。ところがそれ以降は39打席連続無安打を経験するなど急ブレーキ。6月以降の月間打率は毎月2割前後をさまよい、現在はセ規定打席到達者で最下位の打率・227と苦しんでいる。

 それでも本塁打はコンスタントにマーク。ほぼシーズンを通してトップを独走してきた。現在31本塁打で2位の畠山(ヤ)ラミレス(巨)とは8本差。打率最下位の打者が本塁打王を獲得すれは、87年ランス(広=打率・218、39本)以来2人目の珍事となる。

 近年のヤクルトは来日1年目から力を発揮する外国人、特に長距離打者が多い。87年に途中加入したホーナーが31発を放って以降、来日1年目で30本塁打を超えたのはバレンティンが7人目。過去6人中4人が本塁打王を獲得しており、5人目の栄誉は確実だ。他には2人以上記録した球団すらないのだから驚く。

 5月には1試合3発、8月には4試合連発をマークするなど打ち始めたら止まらないタイプ。今季バレンティンが打点なしだとチームは39勝44敗11分けだが、打点を挙げれば28勝11敗4分けの勝率・718、2打点以上なら16勝2敗2分けの勝率・889とはね上がる。短期決戦でもその好不調がチームの勝敗の鍵を握りそうだ。

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2011年10月18日のニュース