燕、落合竜に負けじとサヨナラ勝ち 35歳福地決めた

[ 2011年10月10日 06:00 ]

<ヤ・広>9回2死二塁、福地は右越えにサヨナラ打を放ち、ナインと喜びを爆発させる

セ・リーグ ヤクルト4-3広島

(10月9日 神宮)
 譲らない!ツバメも竜もサヨナラ勝ちだ!ヤクルトは9日、広島戦の9回2死二塁で福地寿樹外野手(35)が右越えのサヨナラ打。肺炎で欠場していたチームの大黒柱・宮本慎也内野手(40)も5試合ぶりにスタメン復帰して安打を放つなど、ベテラン2人がチームを活気づけた。首位中日も巨人を相手に延長10回サヨナラ勝ち。0・5ゲーム差のまま、10日からはナゴヤドームでペナントの行方を決する直接対決4連戦を迎える。

 ガッツポーズというより、むしろ歓喜のバンザイだ。右翼後方で弾む打球を見て、福地が走りながら両腕を突き上げた。優勝戦線に踏みとどまる値千金の快打。自身初のサヨナラ打に、35歳のヒーローはなだれ込む仲間にもみくちゃにされた。

 「自分で絶対還して勝つんだとバットを振りました。外野も結構前に来たので、芯に当たれば抜けると思った」。同点の9回2死二塁。予感はあった。8回に代打で特大の中越え三塁打。試合前まで打率・128と低迷していたが「あれで感覚がつかめた。(9回は)とにかく力まないようにした」。勝負の打席で初対戦の今村の内角直球を芯で捉えた。

 08、09年盗塁王は2月に左ふくらはぎ筋膜炎、6月には左肩関節脱臼で離脱した。リハビリが難航する中、宮本から携帯にメールが届いた。「チームを優勝争いできる状態に持っていっておくから早く戻ってこい」。チーム事情で控えに甘んじながら、体脂肪率7%をキープするなど準備を怠らない姿勢を宮本は見ていた。二塁付近で固く抱き合いながら、福地はこのメールを思い出した。

 肺炎に苦しむ宮本自身も、微熱を押して強行出場した。5試合ぶりに復帰し「6番・三塁」で先発出場。3点を追う5回に先頭で外角直球を逆らわずに右前打を放ち、チーム初安打で2点奪取の口火を切った。高熱のため6日に大阪から緊急帰京する際は「名古屋で爆発しよう。オレも何とか間に合わせます。肺炎のオッサンより」と、宿舎に激励文を書き残した熱血漢。有言実行のリーダーが打線に火を付け、1点差に追い上げた。

 「脱臼のオッサン」と「肺炎のオッサン」が活躍し、小川監督は「ベテランが必要になる時が来ると思っていた」と手応えをにじませた。首位中日を0・5ゲーム差でピタリ追走。10日から直接対決4連戦に臨む。「よっしゃ、名古屋に行くぞという気持ちで行ける」と宮本は気合満々だ。ファンの大歓声に包まれた神宮はまるで壮行式。チーム一丸の小川ヤクルトが最高の雰囲気で決戦の地に乗り込む。

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2011年10月10日のニュース