「全部が空回り」上原自滅の3失点…1死も取れず降板

[ 2011年10月3日 06:00 ]

<レンジャーズ・レイズ>7回、ロンゴリア(左)に3ランを浴びた上原

ア・リーグ地区シリーズ第2戦 レンジャーズ8―6レイズ

(10月1日 アーリントン)
 レンジャーズの上原浩治投手(36)が1日(日本時間2日)、レイズとの地区シリーズ第2戦で4点リードの7回、3番手としてポストシーズン初登板。先頭打者への四球からリズムを崩し、0/3回を2安打3失点で降板した。1死も取れずに降板するのは09年のメジャー移籍後は初。チームは8―6で逃げ切り、1勝1敗としたが、次回登板では「7回の男」としての真価が問われる。

 勝利に沸く試合後のクラブハウス。シャワーを浴びた上原は椅子に座ってタオルを頭からかぶると、その上から頭を抱えた。ロッカーが隣の建山に無言で頭をポンと叩かれても動けなかった。

 「全部が空回りした。逃げたというか(気持ちを)抑えきれなかった。フォークも低めに投げようとしすぎた」

 7回先頭のジェニングズを2球で追い込んだ後、4球連続ボールで歩かせた。右打者への四球は昨年5月12日マリナーズ戦までさかのぼり、以降は延べ206人の右打者に無四球。「先頭打者が全て。本当に最後まで響いた」。オリオールズに在籍していた昨年7月から今年4月まで36試合連続無四球の球団新記録を樹立したほど制球力抜群の右腕でも、5万1351人の大観衆が見つめた初の大舞台は、いつもと何かが違っていた。

 次打者に高めのフォークを左前に運ばれて無死一、二塁。3番ロンゴリアに投じた2球目の真ん中高めの直球が中越え3ランとなった。ここで降板。1死も取れずに交代するのは、巨人時代も08年の1度しかなかった屈辱だ。ベンチに下がる際には本拠地のファンからブーイングも浴びた。

 ロン・ワシントン監督は「誰も完璧ではない。失投を相手が見逃さなかっただけ」と、9月は防御率1・23と好投してきたベテランを擁護した。チームは8回に1点を加え、何とか逃げ切り。地区シリーズのホームでの連敗を7で止めた。上原は「(勝利が)唯一の救い。反省します。打たれたので言い訳はできない。(挽回の機会が)あればいいですけど」と表情を曇らせたまま。気分を晴らすには、マウンドで借りを返すしかない。

 ≪08年7月16日中日戦以来≫上原が0/3回で降板するのは、日米のレギュラーシーズン、ポストシーズンを通じて08年7月16日中日戦(札幌ドーム)以来2度目。1―0の8回2死一、二塁から2番手で登板してウッズに四球の後、和田に右越え二塁打、中村紀に左中間二塁打を許した。また、レンジャーズは現行の地区シリーズが導入された95年以降、本拠地で7戦全敗だったが、8試合目で初勝利。

 ▼レイズ、ジョー・マドン監督(今季11完投を含む16勝を挙げた)シールズは立ち上がりから球もリズムも良かったが、突然打ち込まれた。レンジャーズ相手に敵地で連勝するのは難しい。

続きを表示

2011年10月3日のニュース