「持ってる」22歳 福田連日のV打、そして“優勝球”

[ 2011年10月2日 06:00 ]

<西・ソ>9回2死、ウイニングボールをつかむ福田

パ・リーグ ソフトバンク3-0西武

(10月1日 西武D)
 ソフトバンクのウイニングボールをつかんだのは秋山野球の申し子、福田だった。9回2死、右翼線への飛球に猛然と突っ込み、地面すれすれでスライディングキャッチ。美技で優勝を決めると立ち上がって右手を突き上げ、猛ダッシュで歓喜の輪に飛び込んでいった。

 「まさかウイニングボールが飛んでくるとは思わなかった。持ってましたね。最高です」

 前日プロ1号&決勝打と乗っている22歳の若武者は持っている。優勝目前の重苦しい雰囲気も打ち破った。0―0の6回1死二塁。外角低めのチェンジアップを中堅左にはじき返した。チームを頂点に導く連日の決勝打。4回無死満塁で二ゴロに倒れていただけに「前の打席に満塁で打てなかった分、何が何でも還してやろうと思っていました」と胸を張った。

 俊足巧打の5年目の成長株だ。両打ちだった昨オフ、秋山監督に「いいものが見えるかもしれないぞ」と助言を受けて左打ちに専念。川崎からは「2種類の左打席をつくるんだ」とアドバイスされ、左腕対策に着手したことで道が開けた。柔らかいスイングでバットコントロールも抜群。内角をさばく自信からベースラインぎりぎりに立っていたが、背中から食い込んでくる感覚の左腕の内角球には若干腰が引ける。そこで左投手相手の際はベースから少し離れて立ち、外角は思い切り踏み込んで対応した。

 徐々に苦手を克服して自信が深まり、シーズン終盤にきて外野のレギュラーを奪取。9月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)でダルビッシュから決勝二塁打を含む2安打してブレークにつなげた。「プレッシャーを凄く楽しめています。まだまだ、日本シリーズを勝つまでしっかりやりたい」。勝負強く、ハートも強い。そんな福田が下位打線にいるのもソフトバンクの強さを際立たせている。

 ◆福田 秀平(ふくだ・しゅうへい)1989年(平元)2月10日、神奈川県生まれの22歳。多摩大聖ケ丘3年夏の西東京大会では準決勝で日大三に敗退。06年高校生ドラフト1巡目。昨年は44試合出場で打率・261。今季年俸は950万円。1メートル81、74キロ。右投げ左打ち。

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