WBC日本参加へ猶予「絶対的な締め切りではない」

[ 2011年10月1日 06:00 ]

報道陣の質問に応えるJ・スモール氏

 13年に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への日本の参加問題について30日、米大リーグ機構(MLB)バイスプレジデント・アジアのジム・スモール氏(50)が、回答期限後も日本の参加表明を受け付ける方針を示した。

 大会運営会社のWBCIが回答期限に指定した30日(日本時間10月1日)を前に「期限は絶対的な締め切りではない。1日をもって代替チームと開催地の準備を始めるが、それが最終決定するまで日本は参加表明していい。ドアはオープンにしておく」。これを受け日本は7日のオーナー会議で参加へ向けて協議。島田亨オーナー会議議長(楽天オーナー)と加藤良三コミッショナーが9日にも渡米し、WBCI幹部と会談することになった。

 ここまで日本は、選手会が代表チームのスポンサー料とグッズ収入の権利の日本野球機構(NPB)への譲渡を求め、要求が認められなければ参加できないと主張。12球団とNPBは選手会との最終調整がつかないとしてこの日、期限延期と交渉継続を求める意向を口頭で伝えた。スモール氏は選手会の要求については「分配金はフェアに分けている。選手会の言う(権利を認めた)運営方針では3、4カ国しか参加できない」と反論。一方で「問題ある点は日本に近い立場で話し合いたい。既に参加表明した27チームは日本の参加を待っている」とした。NPBは選手会との調整も急ぐ方針で、回答期限を機に日本が参加へ向けて動きだした。

 ▼日本ハム・島田利正球団代表(選手関係委員会委員長)前向きに(米国側には)受け取ってもらえたと思う。

 【スモール氏に聞く】

 ――回答期限をどう捉えているか?

 「日本不参加を想定し、代わりの開催地やチームの模索を始める区切りの日。あと18カ月でスポンサー契約などを含めた全てを決める必要がある。準備は進めないといけない」

 ――日本の選手会は主張を変えていない。

 「NPBの選手の参加報酬はMLBの選手より45%多い。なぜ、それ以上を求めるのか。日米はWBCで収益を上げるのに重要な2カ国。他の参加国を助ける責務があるのに選手会はそれを無視している」

 ――過去2大会は東京で第1ラウンドを開催。

 「東京で行うことが強い希望だ。ただ万が一、日本不参加でもWBCは成功を収められると信じている。われわれには他の27チームへの責任があるし、大会を成長させる責務もある」

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2011年10月1日のニュース