和田ドジャース最有力 極秘来日のGM補佐が視察

[ 2011年9月29日 06:00 ]

<ソ・日>和田は7回無失点の力投で14勝目

パ・リーグ ソフトバンク7-0日本ハム

(9月28日 ヤフーD)
 今オフにFA(フリーエージェント)権を行使して大リーグ移籍を目指すソフトバンク・和田毅投手(30)の移籍先としてドジャースが最有力であることが28日、分かった。既にド軍は同投手の獲得調査に乗り出しており、スカウト部門のトップであるローガン・ホワイトGM補佐(49)が極秘来日。同日に和田が先発したソフトバンク―日本ハム戦を視察した。和田は7回無失点、8奪三振の快投で14勝目を挙げ、アピールにも成功。チームは30日にもリーグ連覇が決まる。
【試合結果】

 複数の関係者によれば、和田はメジャー移籍の場合、ア・リーグ、ナ・リーグこだわらずに全30球団OKの意向を持っているという。最終的に米移籍が決まれば、可澄美夫人と愛娘とともに移住する意向も固めている。家族の生活環境を考慮すれば、日本人が多く、気候が温暖な西海岸は最適で、ドジャース、パドレス、エンゼルスなどが本拠を置く。

 その中の一つ、ド軍のホワイトGM補佐が前日に極秘来日。一夜明けたこの日に和田の登板試合を視察した。バックネット裏で、エーシー興梠(こおろぎ)アジア部長、スピードガンを手にした小島圭市極東担当スカウトと観戦した同GM補佐はメモを取りながら和田の投球をチェックした。

 スカウト部門を統括する同GM補佐が来日するのは極めて異例で、もちろん今季初めて。今季21勝を挙げてサイ・ヤング賞有力候補の左腕カーショー、今季に打点と本塁打の2冠が確実な外野手ケンプら、現在の主力をドラフト指名した敏腕GM補佐自らの視察に本気度がうかがえた。ド軍ではすでに水面下で和田の調査を進めており、これが最終チェックの意味合いもあると思われる。それだけ、ド軍にとって和田は魅力的な戦力なのだ。今季、2桁勝利を挙げた先発投手は4人。2番目に多い13勝の黒田が残留した場合でも、ローテーション投手が1枚足りない。ビリンズリ、リリーの2人は安定感に欠け、実績のある先発投手の補強は不可欠なのだ。

 和田は今月16日に出場選手登録日数が9年に達し、海外移籍も可能となるFAの資格取得条件を満たした。その際には、自身の去就について「全てが終わってゆっくり考えたい」とする一方で、「日本では経験できないプレーを向こうではできる」とメジャー移籍へ前向きな姿勢ものぞかせた。和田にとって、早大4年時の02年米国に開催された日米大学野球で、ヤンキースタジアムで試合観戦して以来、大リーグは憧れの舞台だ。

 メジャー挑戦に向けて準備も万端だ。17勝を挙げてMVPを獲得した昨オフには、自主トレーニングの場所を従来の福岡から米アリゾナ州の「アスリーツ・パフォーマンス・インスティテュート」に移した。そこでのハードな練習で体重を5キロ増の82キロへと増やした。日程や移動が過酷な大リーグ仕様の肉体をつくり上げるのも目的の一つだった。

 過去には契約更改交渉の席上で、ポスティング・システム(入札制度)によるメジャー移籍を訴えたこともあった和田。来季はドジャーブルーのユニホームに身を包む可能性は高い。

 ◆和田 毅(わだ・つよし)1981年(昭56)2月21日生まれ、島根県出身の30歳。浜田高では2年夏、3年夏に甲子園出場。早大では歴代最多の通算476奪三振。02年ドラフト自由獲得枠でダイエー(現ソフトバンク)入団。03年に新人王を獲得して以降、先発ローテーションの中心で活躍し昨季は最多勝とMVPを獲得した。04年アテネ、08年北京五輪、06年WBC日本代表。今季年俸は3億3000万円。1メートル79、82キロ。左投げ左打ち。

 ≪ロサンゼルス・ドジャース≫1890年創設。1947年に黒人初の大リーガーとしてジャッキー・ロビンソンが入団。58年にブルックリンから本拠地をロサンゼルスに移転した。リーグ優勝22回、ワールドシリーズ制覇6回。ドン・マッティングリー監督就任1年目の今季は81勝79敗(27日時点)で、ナ・リーグ西地区3位。ベンチコーチは元日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏。フランク・マッコート・オーナーは離婚問題が表面化し、6月に破産申請するなど経営状態が悪化。現在は大リーグ機構の監視下に置かれている。本拠地はドジャースタジアムで収容人員5万6000人。

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