第1打席、内野安打、速球系 イチロー今季の不振 3つの要因

[ 2011年9月27日 12:24 ]

レンジャーズ戦の3回、遊撃内野安打を放つマリナーズのイチロー

 11年連続200安打達成が絶望的となった、今季のイチロー。天才の打撃に一体、何が起こったのか。いくつかのデータで「過去のイチロー」と比較して検証する。

 プレーボール早々のイチローの快音――。こんなシーンが、今年は減った。初回第1打席の打率が、今季はメジャーで自己最低の・233。「立ち上がりの1本」が出ないと固め打ちが困難になるのは明白だ。単純に残りの打席数が減るだけでなく、中盤以降は打席ごとに投手が代わり、強力な救援投手との対戦が増える。さらに接戦の終盤ではマークが強まり、敬遠で勝負を避けられることも多々ある。

 米メディアで指摘されているのは、内野安打の減少だ。現時点で36本はメジャーで自身2番目に少ない数字。さらに、全安打における割合は、最近5シーズンで最も少ない。内野安打は相手の守備位置なども関係するため、イチローの側だけに原因を求めることはできない。が、時にはわざと芯を外して転がすなど、内野安打にする打撃は特長の一つだけに量産には大きく響いた。

 もう一つの大きな変化は、球種別の対応。インサイドエッジで興味深いデータがある。直球、スライダーに対する打率の低下と、カーブ、チェンジアップへのチェース率(ボール球に手を出す確率)の上昇、すなわち悪化である。一般的にベテラン選手は徐々に速い球への対応能力が低下するが、今季のイチローも直球、スライダーへの打率がメジャー平均以下。「速球系」への苦戦が見て取れる。

 イチローは通常の打者よりストライクゾーンが広いため、ボール球にも手を出す。しかし、「遅球系」へのチェース率が上がっても、安打数キープにはつながらなかった。近年、100マイル(約161キロ)級の剛腕投手が急増し、投高打低の傾向が強まっている大リーグ。その中で「速球系」を打ちあぐみ、「遅球系」のボール球を振らされている、という結果がデータには表れている。

 単純な打率や安打数以外でも、イチローの苦しみは数字の上で浮き彫りとなっている。来季再び200安打を達成するには、これらのデータを覆すことが不可欠だ。

 ≪米ではスピード面の低下も指摘≫米メディアでは、内野安打の減少とともに「UZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)」を根拠に、スピード面の低下が指摘されている。UZRはメジャーで近年利用されている、守備範囲を数値化した指標。平均的な守備範囲の選手なら0で、トップ級の外野手なら20以上、ワースト級ならマイナス20以下になる。イチローは今季初めて、平均以下のマイナス5.4%と評価された。球際の強さや打球の判断力は変わらないように見えても、走力低下を語る声が上がっている。

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