イチロー 750度目マルチも200安打は絶望的

[ 2011年9月27日 06:00 ]

レンジャーズ戦で5打数2安打に終わったマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ5-12レンジャーズ

(9月25日 アーリントン)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が25日(日本時間26日)、レンジャーズ戦で4打数2安打。200安打到達には残り3試合で18安打と1試合6安打ペースが必要となり、11年連続の200安打は絶望的となった。
【試合結果】

 試合のパフォーマンスは、いつものイチローだった。7点を追う9回2死、追い込まれながら内角チェンジアップを中前へ。3回の遊撃内野安打と合わせ、メジャー通算750度目のマルチ安打を記録した。

 「毎日、(力を)振り絞ってますよ、きょうだって振り絞ってる。別に余力を残そうとしているわけではない。それがあったとしたら問題です」。200安打へ3試合で18本。可能性がゼロに近い状況で残り試合を迎える姿勢について、イチローは笑顔を交えて語った。

 今季は「10年やって、そんなに(数字を)意識しなくてもいい権利を得た」と記録を意識の外に置いて臨んだ。4月こそ同月過去最多の月間39安打をマークしたが、例年調子が上がる5~7月に停滞した。「自分のことで必死。チームの力になれないのはつらい」と苦しい胸の内を明かしたこともある。

 フォームも試行錯誤した。5月にはオープンスタンスを導入。6月には左股関節(左足内側)を軸にターンする打撃も取り入れた。7月後半からは、メジャー最多の年間262安打を記録した04年同様、バットのヘッドを寝かせて復調。しかし、今年は11年目で初めて月間40安打以上がなかったように爆発的な量産ができなかった。打率も・273と低迷し、オリックス時代の94年から17シーズン続けてきた打率3割以上も絶望的だ。

 この日のテキサスは最高気温37度。ミネアポリスから、20度以上の寒暖差に悩まされた遠征を終え「しんどいですかね。最後にしては暑かったしね。いつもこんなに暑くないですからね」と苦笑した。最後は本拠地シアトルに戻っての3試合。記録には届かなくても、力を振り絞る。

 ≪イチロー スキンシップで新人激励≫イチローがリーダーとしての一面をのぞかせた。5回無死三塁、中堅の新人ロビンソンがライナーの目測を誤って後逸。打者走者の生還まで許すと、1死後の投手交代の間に歩み寄り、笑顔でお尻をポンと叩いて言葉を掛けた。「本人の気持ちはよく分かるし、2日前にもややこしいプレーがあったりして、普通なら抱え込むところ。人は体を触られたりすると、安心したりするところがある」。さりげない気遣いにルーキーは笑顔を取り戻した。

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2011年9月27日のニュース