主ヤクはジャイアン!赤川、危機救ったプロ初完投勝利

[ 2011年9月26日 06:00 ]

<中・ヤ>プロ初完投で今季5勝目を挙げたヤクルト・赤川

セ・リーグ ヤクルト6-1中日

(9月25日 ナゴヤD)
ジャイアンがのび太の、いやチームのピンチを救った。ヤクルトは25日、赤川克紀投手(21)がプロ3年目にして初の完投勝利。9回2死から1点を失って完封こそ逃したものの、堂々の投球で今季5勝目を手にした。3連敗で迎えた敵地での2位中日との4連戦。敗れれば0・5ゲーム差に肉薄される危機的状況でチームに値千金の白星をもたらし、ゲーム差を再び2・5に。頼れるジャイアンがまさに救世主となった。

 ♪俺はジャイア~ン、初完投――。応援団の鳴り物による大音響に包まれて、赤川は堂々とインタビューを受けた。

 「8、9回は身体的にも精神的にもきつかったけれど、いい経験になりました。負けても順位が入れ替わるわけではないと、逆に開き直って投げられました」。敗れれば中日に0・5ゲーム差に迫られる瀬戸際。プロ3年目左腕が初めて9回を最後まで投げきり、チームの窮地を救った。

 開き直る。小川監督から授けられた魔法のキーワードだった。直接対決4連戦で、前日まで3連敗で迎えた試合前のミーティング。指揮官は「開き直ってやってくれ。抜かれたら抜き返せばいい。準備はしっかりして、自分の力を信じてやってくれ」と語りかけた。赤川はその言葉を実践し、まるで重圧を感じていないかのように伸び伸びと投げた。

 右打者6人を並べた中日打線の内角を果敢に攻め、6回1死まで無安打。最速で140キロにも満たないながら、スピンの利いた直球を軸にツーシームで芯を外した。プロ初完封目前の9回2死から谷繁に適時打を許したが、5安打1失点で今季5勝目を挙げ「(白星の中で)一番うれしい」と八重歯をのぞかせた。

 チーム自体の連敗も4で止まり、2位中日を再び2・5ゲーム差に押し戻した。「ナゴヤドームでの戦い方で課題が出たが、チームの力になる1勝だった」と小川監督。ジャイアンがもたらした大きな白星を手土産に、本拠地へと帰る。

 ▼ヤクルト・相川 赤川は動くボールを持ち味にしっかり投げてくれた。こういう試合で臆することなく投げていたのが一番凄い。

 ▼ヤクルト・伊藤投手コーチ 赤川はストレートの質がいい。コントロールも良かったので打ちづらかったのでは。

 ▼赤川の父・典生さん(58)の話 (宮崎市内の自宅で家族でテレビ観戦し)私たちも緊張しました。本当は見に行きたかったのですが、プレッシャーになってはいけないと思って。宮崎県の人間はのんびりして優しい。あれが本人にとっていいペースなんです。

 ◆赤川 克紀(あかがわ・かつき)1990年(平2)7月31日、宮崎市生まれの21歳。小学2年でソフトボールを始め、中学で軟式野球。宮崎商では3年夏の甲子園に39年ぶりに出場したが2回戦敗退。08年ドラフト1位でヤクルト入団。昨季までの1軍成績は2試合で0勝1敗、防御率11・81。1メートル84、92キロ。左投げ左打ち。

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