レ軍地区連覇 上原歓喜の瞬間も「まだ転校生気分」

[ 2011年9月25日 06:00 ]

<レンジャーズ・マリナーズ>地区優勝を決め、建山(左)にビールをかけられる上原

ア・リーグ レンジャーズ5―3マリナーズ

(9月23日 アーリントン)
 レンジャーズは約2時間待たされて、ようやく歓喜の瞬間がやってきた。マ軍戦勝利後、上原はフィールド上で2位エンゼルスの試合を観戦。エ軍の敗戦で優勝が決定すると、チームメートやロン・ワシントン監督らと抱き合って喜んだ。

 その後はジンジャーエールを掛け合うと、球場に残ったファンの前でウイニングラン。クラブハウスでのシャンパンファイトの味に「(優勝は)懐かしい。うれしさよりも安堵(あんど)感。そっちの方が大きいですね」とホッとした表情を見せた。

 連覇、そして昨年逃したワールドシリーズ王者を目指すレ軍に請われ、7月末にオリオールズから移籍。しかし夏は日中の気温が40度を超える本拠地アーリントンの気候に、家族と離れて単身でのホテル暮らし…。環境の劇的な変化に、心身とも疲労が積み重なった。8月は11試合で防御率6・52。「必要とされてきたのに、力になれなかった」と自分を責めた。

 しかし9月に入り復調。この日も志願の3連投で、7回2死から打者1人を3球続けた直球で空振り三振に斬った。小さくガッツポーズを繰り出した右腕は「肩肘の調子がいい」と手応えを感じている。それでも「まだ転校生気分。心からうれしいとは言えない」と漏らす。プレーオフ、ワールドシリーズで力になってこそ、チームの期待に応えられる。上原の目は、すでにその先の戦いに向けられている。

続きを表示

2011年9月25日のニュース