マー君完封16勝目 投手3冠「ダル超え」見えた

[ 2011年9月25日 06:00 ]

<楽・ソ>5回1死一塁、多村の打席でスイングをアピールする田中

パ・リーグ 楽天8-0ソフトバンク

(9月24日 Kスタ宮城)
 「ダル超え」が見えた!楽天・田中将大投手(22)が24日、ソフトバンク戦で今季4度目の完封勝利を飾り、自己最多となる16勝目を挙げた。勝利数、勝率(・762)でリーグトップの日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)に並び、防御率は1・35まで向上させてトップを維持。プロ5年目で自身初の個人タイトルどころか、投手3冠も視界に捉えた。チームの連敗を5で止めた田中。逆転CS進出を信じ、さらなる高みを目指す。

 思わず力の入った1球に田中は苦笑いを浮かべた。初回、先頭の川崎を2ストライクと追い込んでからの3球目。147キロの直球は外角高めへ大きく外れた。一度マウンドを下りて息を吐いた。この日のテーマを思い出す。「力まずに投げる」。最後は139キロのスプリットで空振り三振に斬ると、危なげない投球で最後までスコアボードにゼロを並べた。

 「勝つということだけ考えてシンプルに。バランス良く投げることができたと思う」

 前回17日の西武戦(西武ドーム)は自己ワーストタイの13安打を浴び4失点した。力みから制球が乱れ、最後まで修正できなかった。6日間の調整期間で導いた答えは「原点回帰」。無駄な力を省いて必要な場面で最大の力を発揮する。シーズン前に掲げた投球をもう一度思い出した。150キロ以上を計測したのは、3点リードの5回2死一、三塁で柴原を遊ゴロに仕留めた勝負どころの1球だけだった。

 がむしゃらにシーズンを送ったプロ1年目以来、田中はシーズンを通してローテーションを守った経験がない。ここ3年は故障で離脱しており、1年間投げ抜く疲れも感じている。「投球中に体がぶれてしまう。無意識に体を使いすぎている」。疲労が蓄積し、力強い球を投げるために必要以上に体を動かしてしまう。肩が入りすぎ、体の軸がぶれて制球に狂いが生じる。プロ1年目から田中の投球を受ける松比良ブルペン捕手は「ここ最近は力任せに投げていたルーキーの頃を思い出した。ただ、それに気付いて修正できるのが今の田中です」と語る。

 投球回数はプロ5年目で初めて200イニングを突破(200回1/3)。防御率は1位をキープし、勝利数と勝率はトップに並んだ。堂々の投手3冠。いずれもタイトルを争うのは、師と仰ぐダルビッシュだ。「僕にダルさんみたいな凄みはない。成績はシーズンが終わってから振り返ります」と控えめだが、日本球界最高投手と史上まれにみるハイレベルな争いを繰り広げている。

 チームの連敗を5で止め、CS進出へ望みをつないだ。お立ち台で「今こそ底力を見せる時。皆さん、僕らについてきてください!」と叫んだ田中。その視線の先には逆転CS進出、そして「ダル超え」の高い壁が見えている。

 ≪パ・リーグでは史上3番目の年少記録≫田中(楽)が今季4度目の完封で自己最多の16勝目。勝利数と勝率でダルビッシュと並ぶリーグトップタイとなり、防御率と合わせてパ投手3冠に躍り出た。この3部門でタイトルを獲得すれば、同僚の岩隈が08年に達成して以来。23歳シーズンでの達成は、2リーグ制以降では57年稲尾の20歳、90年野茂の22歳に次ぐ若さとなる。田中は今季ソフトバンク戦4試合に登板し3勝0敗、37回を投げて自責点がわずか1。防御率0・24と首位チーム相手に驚異的な数字を残している。

 ▼楽天・星野監督(田中について)やっぱり将大かというところ。点が入って遊んでいたな。緩んだ場面もあったけど、安心と言えば安心だった。あのレベルの投手が連敗するわけにはいかないでしょ。

 ▼楽天・嶋(田中について)バランスが良かったし、丁寧に投げていた。いい打者の前に走者を出さなかったのが良かった。

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