落合監督普段通りオレ流貫き勝利「契約書通り」 

[ 2011年9月23日 06:00 ]

<中・ヤ>15勝目を挙げた吉見(右)を笑顔で迎える落合監督

セ・リーグ 中日3-2ヤクルト

(9月22日 ナゴヤD)
 試合後の会見場。中日・落合監督はいつも通り、感情は表に出さなかった。ロースコアの1点差ゲームに「ナゴヤドームの野球だな」。そのひと言で退室しようとした。退任についての問いかけを背中で受けると、苦笑いで振り返り「契約書通り。この世界は、そういう世界」とだけ言い残して引き揚げた。

 午前中に白井オーナーから通告を受けてから球場入り。ナゴヤドームでの退任発表会見には出席せず、試合前練習を普段通り打撃ケージ後方から眺めていた。ただ、練習中にグラウンドに姿を見せていたのは約30分間だけ。試合に集中するように監督室にこもった。突然の退任発表に、選手やスタッフは戸惑った。それでも落合監督は試合前のメンバー交換も淡々と行い、試合が始まると一塁側ベンチ奥の「指定席」で戦況を見守った。

 9回、岩瀬が2死一、三塁のピンチを招くと、穏やかな笑みを浮かべながら自らマウンドに足を運んで守護神を激励。1点差に迫られながら逃げ切ると、ベンチ前で谷繁らに声を掛けながらタッチを交わしてナインをねぎらった。感傷や未練を一切感じさせない、いつも通りの姿だった。

 佐藤球団代表は来年以降に落合監督が他球団を率いる可能性に触れ「落合監督は球界の宝。当然あると思うし、中日が縛ることはない」と話した。他球団に限らない。09年は就任を固辞したWBCの日本代表監督も、13年の開催が決まれば再び有力候補になるのは間違いない。

 本人の意向で今後も退任会見は行わないという。最後まで「オレ流」を貫くつもりだ。

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2011年9月23日のニュース