おかわり豪快41号“らしさ”詰まった通算200本塁打

[ 2011年9月20日 06:00 ]

<西・日>5回1死、7連打の大トリを41号ソロで飾った中村

パ・リーグ 西武7-5日本ハム

(9月19日 西武D)
 西武が19日の日本ハム戦に逆転勝ち。今季初の5連勝を飾った。5回、中村剛也内野手(28)がプロ通算200本塁打となる左越え41号ソロを放った。メモリアル弾は、中島裕之内野手(29)の勝ち越し16号3ランとのアベック弾。この回7得点の大トリを飾る一発だった。主砲のバットに乗り、チームは7月1日以来の4位浮上で3位とは3・5ゲーム差。クライマックスシリーズ(CS)進出へ、奇跡が現実に変わろうとしている。

 「らしさ」が詰まった節目の200号だった。5回、犠打を挟んだ6連打で逆転。その直後の打席。ウルフの初球、外角高めのスライダーを引っ張った。滞空時間の長い打球が左翼席で弾んだ。

 「中島さんが3ランを打ってくれたので、楽な気持ちで入れました。いい雰囲気の中で、流れで打てました。(200号は)若干足踏みしていたので、打てて良かった」

 3年目の初アーチから8年での大台到達。787試合での達成は球団では最多329本塁打の清原和博より早い。大阪桐蔭時代に通算83本塁打をマークした長距離砲だが、本数にこだわりはない。思い入れのある1本を聞かれても「特にないです。これで野球人生が終わったわけではないし、振り返るものでもないので」と即答した。数字には無頓着だ。

 通算200号。その内訳を見ると、左翼方向へのアーチが約70%の137本と典型的なプルヒッターだ。「僕の場合は、人が右方向に打つようなコースでも引っ張りますからね。だから外角でも左方向に行くのは、僕の中では必然なんです」と自身を分析する。カットボールやツーシームなど、打者の手元で小さく変化させる投手が増える中、球を引きつけてスイングする考えはない。時代に逆行して、中村はミートポイントを投手寄りに置いたまま、本塁打を量産する。

 公称102キロの体重を支える下半身のパワーが、上半身とうまく連動するから可能な打法だ。一つ前の打席で、こちらも初球を決勝3ランに仕留めた中島も「みんなが順番にタイムリーを打って、流れをつくってくれた。中村に回そうと思いました」と信頼を寄せる。通算150号本塁打に王手をかけた中島でさえ、中村の打撃には一目置いている。「サンちゃん(中村の愛称)は多少外角寄りの球を引っ張ってホームランにするからね。凄いよね」。天性の長距離砲同士だから高いレベルで理解し合える。

 チームは今季初の5連勝。9月に入り、猛チャージをかけている。13勝3敗1分け。最大15あった借金を5まで減らし、7月1日以来の4位に浮上した。渡辺監督は「5回は凄かったね。一人一人が必殺仕事人のように集中してビッグイニングをつくってくれた」
 CS進出へ、投打ともに最高の状態にある。中村は「チームがいい形で試合をできている」と笑顔。自身の記録より、上位浮上へつながる1勝を喜んだ。。

 ≪清原より37試合速い到達≫中村(西)が日本ハム戦の5回にウルフから今季41号ソロを放ち通算200本塁打を達成した。プロ野球96人目。西武(前身球団も含む)で200本塁打以上は清原の329本を筆頭に6人目。初本塁打は04年7月24日の近鉄戦(西武D)で山村から。200本塁打の到達ペースを見るとカブレラ(西)の538試合が最速で、中村の787試合は歴代11位。日本人に限れば田淵(神)、秋山(西)の各714試合、落合(ロ)の760試合に次ぐ歴代4位のスピード到達になった。なお、前出の清原の200号到達(824試合=歴代14位)より37試合速い。

 ▼西武・片岡 カズ(石井一)さんが悪いなりに頑張っていたので援護したかった。

 ▼西武・栗山 いい形をつくってもらったので、いい結果が出て良かったです。

 ▼西武・原 中島さんにいい形でつなげられました。

 ▼西武・岡本篤(5回2死満塁で登板。好救援で1回1/3を無失点に抑え今季初勝利)攻めていった結果です。試合を崩さないようにと思いました。

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2011年9月20日のニュース