残り10試合で27本 イチロー200安打への“壁”

[ 2011年9月20日 06:00 ]

<マリナーズ・レンジャーズ>7回2死一、二塁、遊撃内野安打を放つイチロー

ア・リーグ マリナーズ0―3レンジャーズ

(9月18日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)は、18日(日本時間19日)のレンジャーズ戦で4打数1安打。11年連続200安打まで、残り10試合で27本とした。前人未到の快挙達成へ高いハードルが待ち受けるが、過去には04年と06年に連続10試合で最高27安打を打った実績もある。過酷な過密日程も乗り越えて、奇跡のラストスパートで金字塔を打ち立てる。

 今のイチローにはどんな1本でも大きな意味を持つ。3打席目まで凡退して迎えた7回2死一、二塁。それまで通算打率・208と抑えられていた左腕ハリソンの初球94マイル(約151キロ)直球に詰まらされたが、投手がはじいたボールが遊撃手の前に転がり、楽々と一塁ベースを駆け抜けた。

 苦しいシーズンも残り10試合となった。過去10年、シーズン最終10試合での最多安打は06年の18本。それでも200安打には届かない。加えて日程面でも8月26日からの20連戦を終え、休日1日を挟んで16日から13連戦の真っ最中。この日も本拠地でレ軍戦を終えるとクリーブランドへ移動。雨で中止になった試合の振り替え分で、インディアンスとデーゲームで1試合戦い、滞在24時間未満でミネアポリスに移動する変則日程となる。

 それでもイチローはこれまで何度も不可能を可能にしてきた。過去、連続10試合での最多安打は、大リーグ新記録の262安打を放った04年と224安打した06年にマークした27本。仮に1試合5打数とした場合、打率・540という高い壁だが、自己ベストをマークした時、200安打の通算回数で並んでいるピート・ローズ(元レッズ)を超えることになる。

 試合前、すでに来季を見据えた米メディアから「今季不振のイチローに何かテコ入れするのか」と問われたエリク・ウェッジ監督は「イチローは自分自身が最も己を知り尽くす打撃コーチだ。手助けは何でもしたいが、誰も彼の打撃理論は理解できない。目を背けるわけではないが、脱出法はイチローがよく分かっているということ」と話した。信頼を寄せる指揮官に応えるためにも、安打を積み重ねるしかない。全米も注目する、最後の10日間が幕を開ける。

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2011年9月20日のニュース