松井3二塁打!指揮官 来季残留ラブコール!

[ 2011年9月6日 06:00 ]

<アスレチックス・マリナーズ>5回裏、二塁から生還する松井。左はイチロー

ア・リーグ アスレチックス8-5マリナーズ

(9月4日 オークランド)
 ヒデキよ、来年も居てくれ!アスレチックスの松井秀喜外野手(37)が4日(日本時間5日)、マリナーズ戦に「3番・左翼」で出場。6年ぶり自身メジャー3度目、さらにア軍球団タイ記録(25度目)ともなる1試合3二塁打を放ち、チームの4連勝に貢献した。試合後には、ボブ・メルビン監督代行(49)が今季限りで契約の切れる松井に対して、残留の熱烈ラブコール。9月に入って再び調子を上げてきた松井の去就に注目が集まる。

 本音でもあったが、松井の笑顔あふれる表情からは軽口にも聞こえた。

 「もう少し伸びていれば本塁打。ちょっとパワーがなかったですね」

 自身6年ぶりの3二塁打。左中間に運んだ3回、左翼に飛ばした5回、右翼へ引っ張った7回と、打球はいずれもフェンスを直撃した。あと少し、もう少し…。結果として8月7日のレイズ戦での11号を最後に109打席連続ノーアーチとはなったが、これで二塁打数は昨季を上回る27。さらに日米通算492二塁打とし、日本選手歴代1位を激しく争うイチローに4本差を付けた。「(3本とも)早いカウントの甘めのストレートをいい形で打てた。得点につながったので良かった」と納得の表情を浮かべた。

 再び上昇気流に乗り始めた松井に、公の場で初めて再契約を望む声が上がった。試合後の監督会見。メルビン監督代行は「あともう少しで3本塁打だったね」と評した上で、「(ア軍に)戻ってくるかどうかは彼が決断すること。ただ彼は今チームになくてはならない存在。試合に備える姿勢は若手のいいお手本」と残留へのラブコールを送った。

 ア軍のチーム編成はビリー・ビーンGM主導で行われる。しかし、他球団に比べると、現場の意見も大きく反映される傾向がある。現に今季はメルビン監督代行の強い要望を受け、フィル・ガーナー氏を特別相談役としてシーズン中に入閣させた。メルビン監督代行がブルワーズ、タイガースでベンチコーチを務めていた当時の監督がガーナー氏だった。現状ではメルビン監督代行の来季続投の可能性は高く、「私が来年もいれば欲しい選手」と、松井を打線の軸に据えたい考えは自然の流れだ。

 残留か、移籍か。シーズン終了と同時に、再び自身の去就問題がクローズアップされるのは必至だが、松井は「(プレーオフ進出が絶望的でも)最後までしっかりとやるのはプロとして当然」。一つ一つのプレーがあすへ、来年へつながっていく。

 ≪乳がん撲滅キャンペーンでピンクのリストバンド着用≫4日はアスレチックスが毎年恒例として行っている「乳がん撲滅キャンペーンデー」。過去13年間、入場料の一部やサイングッズ販売の売り上げを寄付金に充てている。チャリティーのシンボルとして、松井を含めア軍全選手はピンク色のリストバンドを着用して試合に出場。今年は6万3200ドル(約487万円)が集まったと発表された。

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2011年9月6日のニュース