松坂 新フォーム追い求める

[ 2011年9月5日 06:00 ]

来季中の完全復活へ一歩前進した松坂

 右肘のじん帯修復手術を受けてリハビリ中のレッドソックス・松坂大輔投手(30)が、9月中にボールを使ったメニューへ移行することが分かった。3日(日本時間4日)、リハビリ中のフロリダ州フォートマイヤーズで本紙取材に応じたもので、検診で許可が下りれば下手投げからボールを投げる動作を開始する。早ければ9月末にもキャッチボールを再開できる見込みで、来季中の完全復活へ一歩前進した。

 精かんな顔つきに、筋肉が盛り上がった上半身。松坂の肉体は鍛え上げられていた。日々のリハビリだけでなく、その先を見据えたパワーアップにも取り組んでいる。

 「一日一日が予定通りに、本当に何事もなく進んでいる。リハビリが思うように進まなくて、イライラしたこともない」

 6月10日の手術から85日。ベンチプレスや重いボールを使ったメニューなど数十種類に及ぶ肘や肩のトレーニングを行う。加えて下半身や体幹の強化など、ボールを投げる動作以外はこなしている。右肘の可動域はほぼ回復し「あと2、3%という状態。上半身のウエートトレーニングをしながら、自然と戻るのを待っています」とした。

 9日(日本時間10日)にはレイズ戦でフロリダ州セントピーターズバーグに遠征に来るチームに一時合流。首脳陣に経過報告を行う予定で12日(同13日)以降、執刀したルイス・ヨーカム医師の検診で異常がなければ、下手投げからボールを使ったメニューが解禁となる。球団と医師の見解では術後16週目となる9月末がキャッチボール再開の目安で「最初は下からかもしれないけど、そんなに時間はかからないと思う」と心待ちにした。

 完全復活へ向けて松坂が取り組むのはリハビリとともに、新投球フォームの構築だ。現在、軽いシャドー・ピッチングは可能で「自分の中でフォームは変えていかないと、と思うし変わるだろうなとも思っている。(肘が動く)今はこういうフォームで投げようとかイメージしやすくなった。それが楽しい」。患部の違和感から右肘が下がっていた故障前のフォームから、肘に負担がかからない新フォームをじっくりと追い求める。

 復帰は来季後半戦前後で「焦りはない。今はキャッチボールができる日を待っています」。松坂は完璧な状態でマウンドに戻る日を見据えている。

 ≪松坂負傷からの経過≫

 ▼5月16日 オリオールズ戦で4回1/3を5安打5失点で降板。翌17日にMRI(磁気共鳴画像装置)検査で、右肘じん帯の損傷が見つかる

 ▼同18日 球団が右肘の内側側副じん帯と屈筋群の異常と発表。15日間の故障者リスト入り

 ▼同31日 ロサンゼルス市の病院で肩と肘の権威、ルイス・ヨーカム医師の検査を受ける

 ▼6月2日 右肘の腱移植手術(トミー・ジョン手術)を受けることが正式決定。同10日に手術

 ▼同20日 検査を受け、ギプスを外す

 ▼同24日 フロリダ州フォートマイヤーズの球団施設で本格的なリハビリを開始

 ▼7月15日 セントピーターズバーグに遠征中のチームに一時合流し、経過を報告

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2011年9月5日のニュース