勝負強さ健在!松井 今季10度目勝利打点

[ 2011年9月4日 06:00 ]

<アスレチックス・マリナーズ>3回、松井は左中間二塁打で出塁後、捕手の悪送球を誘い三塁へ

ア・リーグ アスレチックス9―2マリナーズ

(9月2日 オークランド)
 アスレチックスの松井秀喜外野手(37)が2日(日本時間3日)、マリナーズ戦で3回に逆転の3点二塁打を放ち、今季10度目の勝利打点を記録した。2桁V打点はメジャー9年間で4度目だ。既にプレーオフ進出は絶望的な状況で、今季中の移籍の可能性もほぼ消滅している中で変わらぬ勝負強さを発揮。チームを2連勝に導いた。マ軍のイチロー外野手(37)は4打数1安打に終わった。

 この勝負強さこそがゴジラだ。2点を追う3回1死満塁。松井は初球、外角カットボールを迷わず叩いた。「外野に飛ばせば最低でも1点入ると思った。逃げていく球にしっかりついていけた」。左中間を抜く走者一掃の逆転二塁打。右翼を守るマ軍・イチローと並んでいた、日米通算二塁打の最多記録も489と1つ先行した。「バットを振られてもファウルまでという狙いだったが、甘く入った」。相手先発のバルガスは失投を嘆いたが、後の祭りだった。

 今季のア軍の62勝のうち、これで松井の勝利打点は10個目。4番ウィリンハムを上回るチーム単独トップだ。ボブ・メルビン監督代行も「試合を決めた重要な一打。あれで先発投手もリラックスできた」。代名詞である本塁打は100打席遠ざかっているが、勝負強さは衰えていない。前半戦で・210だった得点圏打率は、後半戦で・423(52打数22安打)。満塁機の打率も・444(9打数4安打)、11打点の暴れっぷりだ。

 9月に入ってベンチ枠が25人から40人に拡大。若手選手が大挙してメジャーに昇格する中でベテランとして走者をきっちり還す打撃を披露した。地元ラジオ局の実況アナウンサーは「これが松井の見せ場。若い選手は学ぶべきだ」と訴えた。

 チームは首位レンジャーズに16・5差と離され、地区優勝は絶望的。松井自身も今季中の移籍がほぼ消滅するなどモチベーション維持が難しい状況だが、役割を見失うことはない。「あと1カ月。いつものようにちゃんと準備をして、試合が始まればチームが勝つためにベストを尽くすだけ。最後までしっかりとやりたい」。無心の打撃の積み重ねが若いチームの底上げと、自身の来季にもつながる。

 ≪チーム勝利数に対しての割合は16%≫松井がメジャーで2桁の勝利打点を記録したのは2年連続4度目となった。チーム勝利数に対しての割合ではヤンキース1年目の17%に次ぎ、昨年に並んで2番目に高い16%。巨人時代は2年目の94年以降、9年連続で2桁に達しており、勝利数あたりの割合は97年に最高の22%をマークしている。

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2011年9月4日のニュース