同じ投手と同じ球場で…長野　頭部死球の今村からＶ三塁打

＜広・巨＞８回２死三塁、長野が中越えに勝ち越し適時三塁打で雄叫びを上げながら滑り込む

セ・リーグ 巨人２－１広島

（8月27日 マツダ）
　巨人・長野は無我夢中だった。同点の８回２死三塁。２番手・今村の真ん中低め１４４キロ直球を振り抜いた。グングン伸びた打球は中堅フェンス直撃。試合を決める一打に、三塁ベース上で三塁ベンチに向かい右拳を握った。

　「思い切りいこうと思った。（外野を）越えてくれるかなと思ったけど良かったです」

　７日の広島戦（マツダ）で今村から死球を受け、左頬骨（きょうこつ）にひびが入った。それ以来となる対決。球場も同じだったが「もう全然分からなかったです。忘れてました」。目の前の１球に集中し、自らのバットで勝利を呼び込んだ。

　死球を受けてチームを離脱中、自宅でテレビをつけると今村の姿が目に入った。「しっかり投げているのを見て安心しました」。自分自身のことよりも、２０歳の右腕を心配して関係者にも様子を聞いていただけにホッとした。復帰戦となった１３日の広島戦（東京ドーム）では１安打２打点の活躍。この日の直接対決でも、これまで通りの長打力で元気な姿を見せた。

　前日は今季１０度目の零敗。原監督は２試合連続無安打のラミレスを５番に下げ、５試合ぶりに高橋由を４番に起用した。その指揮官も長野の決勝打に「この前の（死球の）件はともかくとしてもね。非常に価値ある一打だった」と目を細めた。１日で借金生活を脱出。阪神、中日と同じ勝率５割ながら勝利数で上回って２位に浮上した。混セはまだ続く。追走態勢はここからだ。

　▼広島・今村（内角は投げづらいかとの質問に）それは関係ない。打たれたら仕方がないです。