凄すぎ!マー様 18Kで軽~く首位完封 楽天7連勝

[ 2011年8月28日 06:00 ]

<楽・ソ>9回2死二塁、多村から18個目の三振を奪った田中はガッツポーズ

パ・リーグ 楽天5-0ソフトバンク

(8月27日 Kスタ宮城)
 田中が球史に名を刻んだ。楽天・田中将大投手(22)が27日、ソフトバンク戦で毎回の18三振を奪って、13勝目を今季3度目の完封で飾った。自己最多の18奪三振は95年のオリックス・野田浩司投手に次ぐ歴代2位で、リーグトップの防御率も1・40まで上昇させた。ソフトバンク、日本ハムのパ・リーグ2強を叩いたチームは、08年の球団記録に並ぶ7連勝。CS圏内の3位をがっちりキープした強さは本物だ。

 じっと球を見つめ、マウンドで二言三言つぶやいた。鋭い眼光で嶋のサインにうなずく。最後の獲物を仕留める勝負球はスライダーに決めた。狙い通り、外角低めに落として多村を空振り三振に斬った田中は、両手の拳を力強く握りしめて雄叫びを上げた。

 「全部の球種が良かったので、追い込めば三振を取れる雰囲気があった。8回まで三振が15だったので、9回は全部狙いました」

 マウンドに上がる前、森山投手コーチから「18奪三振で日本タイ記録だぞ」と声を掛けられた。田中には「19個じゃなかったかな?」と考える余裕すらあった。その中で小久保、松田、多村をしっかり空振り三振。18奪三振が歴代2位でも空振り三振17は史上最多だ。

 それだけ田中の球は切れていた。加えて、全ての球種を勝負球にできる田中だからこそなし得た数字でもあった。内外角にしっかりコントロールされる直球に、ストライクゾーンからボールゾーンへ消えるスライダーとスプリット。タイミングを外すカーブもある。的を絞りきれない打者のバットを、面白いように空を切らせた。

 5回1死満塁が唯一のピンチだったが「絶対にゼロで抑える。点差があるから1点あげてもいい、というのは嫌いだから」。山崎を142キロのスプリットで、川崎は140キロを超えるスライダーで追い込むと、151キロ外角直球で空振り三振に仕留めた。内川、小久保、カブレラの中軸3人から8奪三振。1、2番も含めて上位から12三振を奪った。チーム打率リーグトップのソフトバンク打線を力でねじ伏せた。

 星野監督は試合中盤、登板過多の中継ぎ陣をブルペンから呼び戻してベンチに座らせた。田中の完投勝利から始まったチームの連勝街道。中継ぎ陣がフル回転してつないできたが、この試合で肩をつくった救援陣は一人もいなかった。「きょうは田中に全て任せた。全員休ませようとな。それくらい信頼しているということ」と話す指揮官の信頼、そしてプレッシャーにも田中は「絶対に一人で投げきろうと思っていた」と応えてみせた。

 球団タイ記録の7連勝で最大11あった借金を4まで減らした。3位の座をしっかり守った田中は「チームの連勝を止めるわけにはいかなかった」と笑った。2年ぶりのCS進出へ。立ち止まらずに一気に突き進む。

 ≪最多は野田(オ)の19奪三振≫田中(楽)が今季3度目の完封を毎回の18奪三振で飾った。1試合18奪三振は、95年野田(オ)の19奪三振に次ぐ歴代単独2位の記録。奪三振の内訳を見ると、見逃しが1個だけ。空振り三振17個は1試合の最多記録だ。また、19奪三振の野田は勝ち投手になっておらず、田中の18奪三振は勝利投手としては最も多い個数になる。なお、5月20日のヤクルト戦でも毎回の15奪三振。シーズン2度の15奪三振以上は93年野田(15、16奪三振)、今季ダルビッシュ(日=15奪三振2度)に次ぎ史上3人目。シーズン2度の毎回奪三振は54年大友(巨)、58年稲尾(西鉄)、68、70年江夏(神)、80年木田(日=3度)、81年江川(巨=3度)、98年石井一(ヤ)に次ぎ7人目(8度目)となった。

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2011年8月28日のニュース