これが4番だ!ラミレス3戦ぶり先発復帰で逆転V打

[ 2011年8月24日 06:00 ]

<巨・神>6回1死一、二塁、逆転の2点適時二塁打を放ったラミレス

セ・リーグ 巨人5-2阪神

(8月23日 東京D)
 成績不振のため2試合連続でスタメン落ちしていた巨人のアレックス・ラミレス外野手(36)が23日、阪神戦で「4番・左翼」で先発復帰。0―1で迎えた6回1死一、二塁から右翼線に逆転の2点適時二塁打を放った。ディッキー・ゴンザレス投手(32)、小笠原道大内野手(37)が相次いで負傷交代する窮地で、4番の一振りで試合を決めた。チームは再び貯金を1とし、2位を死守した。
【試合結果】

 さほど鋭くない打球でも、相手に致命傷を負わせた。1点を追う6回1死一、二塁。ラミレスが右翼線へ逆転の2点二塁打。3試合ぶりのスタメン復帰、そして4番として面目躍如の一打だった。

 「狙っていた。1ボール1ストライクで、あそこは外に逃げる球が併殺には最適。だからシンカー(シュート)を狙って、バットの先っぽだったけど逆方向に打てた。ホームランじゃなくてもヒットで同点に、と思っていた。よく走ってくれた(一塁走者の)長野に感謝してるよ」

 ゴロを狙って外に続いた阪神先発の左腕・岩田のシュートを軽打した。来日11年目で培った読みで、相手バッテリーの狙いを逆手に取った。

 阪神との伝統の一戦は傷だらけの戦いになった。小笠原が5回に左手首に死球を受け病院に直行。直後の6回には先発のゴンザレスが右ふくらはぎを痛め緊急降板。窮地のチームを救ったのは、やはり4番だった。

 死球による右足甲の打撲の影響で、7月14日の阪神戦(甲子園)で球団記録を更新していた4番の連続先発出場が469試合でストップ。後半戦再開の7月26日から先発復帰も、長野に4番の座を譲った。7月は打率・172で本塁打はゼロ。8月に入って2日の阪神戦(東京ドーム)で原監督に直訴し、4番復帰。だが、阿部、小笠原ら周囲が調子を上げる中で低空飛行が続き、ついに20、21日の大事な首位ヤクルト戦で先発落ちの屈辱を味わった。21日の試合前には原監督から「タイガース戦に向けて準備してくれ」と告げられた。自身も長年、巨人の4番を務め「聖域」と呼んだ指揮官。ラミレスの悔しさは誰よりも理解できるだけに、「少しリフレッシュして良い状態。これからバンバン打ってくれるでしょう」とあらためて期待を口にした。

 チームを救った4番の意地。「今の成績よりいい成績を残せるように頑張る。後半戦に入って4番としてどれだけできるか、自分を信じてベストを尽くしたい。シーズンはどう始まるかではなく、どう終わるかが重要」。チームは再び貯金1。悩める4番のバットでカードの初戦を制したことが、今の巨人にとって何より意味がある。

 ≪対岩田は今季5割≫ラミレス(巨)が6回に逆転の2点適時二塁打。今季ラミレスの殊勲安打は両リーグを通じ最多の30本目。カード別では阪神戦が8本で最も多い。また、岩田とは今季通算14打数7安打(打率・500)、1本塁打、7打点と攻略。08年9月27日からは岩田と対戦した8試合連続で打点を挙げるなど得意にしている。なお、この日でラミレスの通算二塁打は299本目。外国人ではローズ(オ)の311二塁打に次ぎ、2人目となる300二塁打にあと1本と迫った。

 ▼巨人・岡崎ヘッドコーチ(6回以降、7四球を選んでの逆転勝利)四球を多くとれたのは大きい。(3連戦での先発が予想される)能見のときも、低めの球を見極めることができればいい。

 ▼巨人・坂本(1点リードの9回2死満塁で2点中前打)走者を還したかった。いいところに打球が飛んでくれた。

続きを表示

2011年8月24日のニュース