志願の続投!岩隈最速148キロで稲葉斬り 楽天400勝

[ 2011年8月24日 06:00 ]

<日・楽>試合終了後、星野監督(左)と握手する岩隈

パ・リーグ 楽天6-2日本ハム

(8月23日 札幌D)
 ベンチから楽天・片山がマウンドに向かった時だった。岩隈は佐藤投手コーチに強い口調で言った。

 「大丈夫です。まだいけます」。6回2死一、三塁。稲葉を迎え、星野監督は交代を決断したが、エースは続投を志願。佐藤コーチが「初めて押し切られた」と振り返るほどに強い口調だった。稲葉に対し、4球続けて内角を攻めた。めったに投げないカットボールも使った。最後は外角低めの直球。「しっかり腕を振ってマックスで投げられた」というこの日最速の148キロで見逃し三振を奪った。その瞬間、1500投球回を達成した。

 「(1500投球回は)積み重ねなので周りの人たちに感謝したい。きょうはしっかり腕が振れて勝負どころでいい球が投げられた」。右肩痛から復帰した7月27日ソフトバンク戦(ヤフードーム)で勝利投手となったものの、その後3試合は白星から遠ざかった。右肩の状態が万全ではなく、直球は130キロ台がほとんど。120キロ台もあった。2カ月のブランクは本格的な夏場を迎え、スタミナ不足にもつながった。

 肩の状態も徐々に回復。下半身と体幹を強化し、投げる体力も備わってきた。7回も志願のマウンド。先頭・小谷野に安打を許して降板したが、9安打を浴びながらも1失点に抑えた。最近3試合では最多の90球を投げ、約1カ月ぶりの5勝目。星野監督は「球に力があったな」と振り返った。

 チームは創設7年目で球団通算400勝目を達成。05年開幕の球団初勝利、昨年4月の300勝をもたらしたエースは再び「節目の男」となった。「もっと強いチームになれるようみんなで頑張りたい。自分も次は完投を目指す」。3連勝で4位に浮上し、3位ロッテと1・5ゲーム差。復活したエースがチームを2年ぶりのCS進出に導く。

続きを表示

2011年8月24日のニュース