「調子悪かった」石川 館山不在2人分責任感で8勝目

[ 2011年8月24日 06:00 ]

<ヤ・中>8勝目を挙げた石川はファンとタッチ

セ・リーグ ヤクルト2-0中日

(8月23日 神宮)
 どんな苦境に立っても男の約束は守る。7安打を浴びながら7回を無失点に抑えたヤクルト・石川が、頭をかきながら振り返った。

 「調子は悪かったし、自分のミスもあったので何とか粘っていこうと思った。1点は覚悟しましたが、何とかゼロでいけた。タテ(館山)が帰ってくるまで頑張らなきゃいけないんで」

 3者凡退は初回だけ。女房役の相川が「(降板は)5回くらいと思っていた」という綱渡りの投球だった。その5回には投手のネルソンに中越え二塁打を浴びるなど1死満塁のピンチ。大島を投ゴロに打ち取ったが、併殺も狙える場面で本塁への送球がそれて1死しか奪えなかった。7回も無死二塁でのバント処理で一塁へ悪送球してピンチを広げたが、いずれも後続を断った。この粘りに、相川は「どうだろう、から7回まで投げるのが凄いところ」と称えた。

 負けるわけにいかなかった。右腕エース・館山が右手中指、薬指の違和感で20日に出場選手登録から外れた。チームにとって大きな痛手だが、石川は館山に「しっかり治してこい。治して戻ってくるまで頑張るから」と約束。2人分の責任感を持ってマウンドに上がり、館山に並ぶチームトップの8勝目を手にした。

 石川の力投が幸運をも呼んだ。6回2死一、三塁でバレンティンがマウンド上に高々と打ち上げた飛球が、中日内野陣が誰も捕球できずに落ちる先制の適時二塁打となった。これには伊勢総合コーチも「神様がついている。神懸かり的なタイムリー」とニヤリ。中日、阪神と続く6連戦の初戦を取った。それでも小川監督は「運は大事だが、するべきことをした上でのこと。石川もよく投げたが、次は同じこと(拙守)をしないでもらいたい」と手綱を引き締めた。

 ▼ヤクルト・荒木チーフ兼投手コーチ 石川はしっかり粘ってくれた。でも、あした(24日)からしっかり守備練習だ。

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2011年8月24日のニュース