第2の沢村ご免!G投 虎狩りで丸刈り回避だ

[ 2011年8月23日 06:00 ]

阪神戦に向け調整するゴンザレス

 激しい上位争いが繰り広げられているセ・リーグで、2位の巨人は、23日から0・5ゲーム差で3位の阪神を本拠地東京ドームに迎え撃つ。逆転優勝を狙って首位のヤクルトを5ゲーム差で追うチームにとって、負けられない伝統の一戦。先陣を切るディッキー・ゴンザレス投手(32)は、阪神のクレイグ・ブラゼル内野手(31)封じを勝利へのカギとした。

 首位ヤクルトに勝ち越して迎える伝統の一戦。ツバメの尻尾を捕まえるには、下位チームに負けている場合ではない。阪神相手に3連勝、最低でも勝ち越しを狙うためのターゲットがブラゼルだ。きょう23日の第1Rに先発予定のゴンザレスはジャイアンツ球場の先発投手練習で調整。「マークするのはブラゼル。力のあるバッターなので、しっかり抑えて勢いに乗せないようにしたい」と言葉に力を込めた。

 今季巨人の投手陣は阪神打線を被打率・251、被本塁打7本と抑えているが、ブラゼルには50打数21安打で被打率・420と打ち込まれて3本塁打も許している。ブラゼル自身はここ5試合で打率・222、1本塁打と不振で、ゴンザレスも今季3打数無安打に抑えているとはいえ、球団スコアラーが「阪神のバッターは巨人戦になると変わる」と話すように油断は禁物だ。ここまで15試合で7勝8敗の阪神戦は6試合が1点差ゲーム。ここ11試合連続で4点以下で勝敗が決まっているとあれば投手陣、中でも先発にかかる比重は高い。左の大砲を抑えて、打線を分断することが勝利への近道となる。

 さらに、投手陣にとってはもう一つの発奮材料もあった。12日の広島戦(東京ドーム)で7回4失点して9敗目を喫した新人・沢村は試合後に丸刈りとなった。19日に6勝目を挙げた沢村だったが、登板前に川口投手総合コーチから「次、負けたら五厘(刈り)だ」と通告されていた。今のチーム、中でも投手陣の中には「ふがいない投球=丸刈り」の図式が出来上がっている。「虎狩り」をしなければ「丸刈り」にされる危機だけに、各投手とも必死だ。
 0・5ゲーム差で迎える伝統の一戦。24日の第2Rに先発予定の内海は「状況は把握しているつもりです。まずは自分のピッチングをするだけです」と必勝を宣言した。残り46試合。ここからが正念場だ。

 ≪上り調子のG打線VS虎投手陣≫今季の巨人―阪神戦はここまで巨人の7勝8敗。点差別では1点差8試合、2点差5試合と接戦での決着が目立つ。また5点以上奪ったのは両チームとも1度だけ。ロースコアが多いのも今季の特徴だ。8月に入り巨人は12勝6敗。チーム打率は7月末現在でリーグ最下位の・230だったが、今月は・261と改善している。本塁打も8月は12球団最多の19本と本来の長打力が戻ってきた。一方、阪神は8月のチーム防御率が2・10と充実。特にきょう先発が予想される能見は3試合に登板し2勝0敗、防御率0・39と絶好調。巨人打線がどう攻略するかがカギになりそうだ。このカード、巨人は8盗塁を決め、失敗は4度。阪神が5盗塁で失敗が4度だから機動力では巨人に軍配。個人では藤村、鈴木が2盗塁ずつを決め失敗はない。

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2011年8月23日のニュース