エース吉永恩返し完封!日大三が春夏連続4強

[ 2011年8月19日 06:00 ]

<習志野・日大三>完封勝利の日大三・吉永

第93回全国高校選手権大会準々決勝 日大三5―0習志野

(8月18日 甲子園)
 準々決勝2試合が行われ、4強が出そろった。01年以来、10年ぶりの優勝を狙う日大三(西東京)は最速149キロ右腕のエース吉永健太朗投手(3年)が、習志野(千葉)を4安打完封して5―0で快勝。小倉全由監督(54)に監督通算30勝目を贈った。また、作新学院(栃木)は智弁学園(奈良)に7―6で逆転勝ちし、春夏連覇した62年以来、49年ぶり4強入りを果たした。これにより、19日の準決勝は作新学院―光星学院(青森)、日大三―関西(岡山)の顔合わせとなった。
【試合結果 組み合わせ】

 吉永の視界の隅で何かが動いた。スクイズか。初回1死三塁、1ストライクからの2球目。鋭い勘が指先に指令を出した。すでに投球動作に入っていた直球を、とっさに高めに外してみせた。

 大歓声の中、吉永は「走者が走るのが見えた」とはっきり認識していた。捕手の鈴木が跳び上がって捕球するほどの高めに投げ込んだ142キロの直球。この球で空振りを奪って、三塁走者もタッチアウト。先制のピンチは高い危機察知能力で回避した。

 6回まで毎回得点圏に走者を背負うピンチの連続にも8個の三振のうち、6個が見逃しと習志野打線を翻ろう。甲子園初完封でつかんだウイニングボールを30勝目の小倉監督へプレゼントした。

 全4試合に完投。573球を投じ、最後の打者を打ち取っても疲労からかガッツポーズはなかったが、お立ち台では「(完封は)最後まで意識した。30勝は知っていた。凄くうれしい。今まで監督には迷惑をかけてきたので」。シャイなエースが満面の笑みを浮かべた。

 小倉監督の言葉で救われた。3回2/3で5四死球と自滅した7月24日の西東京大会4回戦の日野戦の夜。「甲子園に出ないといけないと思って凄く悩んでいた」エースを小倉監督がファミリーレストランに連れ出した。フレンチトーストを食べながら「もっと自信を持ってやろうな」と指揮官が優しく諭した。試合後にカミナリを落とされた後の言葉。「うれしかったけど、迷惑をかけているなと思った」。気にかけてくれる指揮官のためにも、大舞台で恩返しの快投を見せたかった。

 これで2季連続の4強進出。今センバツでは優勝候補筆頭とされながら、準決勝で準優勝した九州国際大付に2―9と完敗した。「監督を胴上げしたいという気持ちはある。体が疲れていても気持ちで投げたい」。小倉監督とともに歩んできた道のりも、頂点が見えてきた。あと2勝。深紅の大旗をつかみ取って指揮官を日本一の監督にする。

 ≪春夏通算30勝≫日大三・小倉監督が今大会4勝目を挙げ、春夏通算30勝(関東一での7勝を含む)を達成。竹田利秋監督(東北、仙台育英)と並び歴代12位タイ。

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2011年8月19日のニュース