石川11カ月ぶり完投!故郷・秋田の能代商に刺激!

[ 2011年8月17日 06:00 ]

<ヤ・横>9回1死一塁、村田を三ゴロ併殺に打ち取り、石川がガッツポーズ

セ・リーグ ヤクルト5-1横浜

(8月16日 神宮)
 苦しい時こそ結果を出す。それがエースだ。ヤクルトの石川が昨年9月28日横浜戦(横浜)以来の完投で今季7勝目を挙げた。

 「夏場で中継ぎが疲れる時に、今季完投ゼロは情けなかった。遅いけれど、完投できて良かったです」

 初回はスレッジに中前タイムリーを浴びるなどわずか7球で先制点を許した。しかし、2回以降は低めに集めて連打を一度も許さない。要所では伝家の宝刀を抜いた。2点リードの8回、無死一塁では代打・ハーパーをシンカーで空振り三振に斬った。続く代打・吉村の打球を自らお手玉してしまい(記録は失策)、1死一、二塁のピンチを招いたが、下園を再びシンカーで二ゴロ併殺打。27個のアウトのうち内野ゴロで13個を奪い、6安打1失点に抑えた。

 今夏、愛する故郷に刺激を受けた。甲子園で秋田県代表の能代商が快進撃。左腕エース・保坂の緩急を生かした投球に「高校時代の僕と似ている」と親近感を覚え、試合のたびに応援した。3回戦で延長サヨナラ負けを喫したシーンを登板直前にテレビで見て「ナイスゲーム。感動しました。高校野球は原点。熱い気持ちになれる」と後輩たちの活躍を力に変えた。折しも秋田市内の実家から家庭菜園で育てたキュウリ、枝豆が段ボール箱いっぱいに到着。故郷の味をかみしめてマウンドに上がっている。

 守護神・林昌勇は腰痛で出場選手登録を抹消。正捕手・相川は14日阪神戦(神宮)でファウルチップを急所に受けて休養中。首位のチームは今月これまで3勝8敗1分けと苦戦。2位から猛追を受ける中、貯金を10に戻す白星をもたらした左腕を、小川監督は「6連戦の頭の完投は大きい。最高でした」とねぎらった。汗腺という汗腺から噴き出す汗も気にせず、石川は言う。「夏は嫌いではない。やってるとそんなに気にならない。僕一人が暑いわけではない」。エースはやせ我慢すら頼もしい。

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