あと1人から8失点…横浜 勝利の方程式破綻

[ 2011年8月16日 06:00 ]

<横浜・智弁学園>9回2死満塁、大西に逆転2点適時打を打たれ、ぼう然とする向井(中央)

第93回全国高校野球選手権3回戦 横浜4―9智弁学園

(8月15日 甲子園)
 第93回全国高校野球選手権は3回戦4試合が行われ、横浜は9回2死まで3点をリードしながら、土壇場で智弁学園(奈良)の猛攻に遭い、一挙に8失点を喫して、3年ぶりの8強入りを逃した。9回の8失点は、春夏の甲子園通じてワーストタイ記録となった。また、光星学院(青森)は序盤の集中打で徳島商を6―5で下し、8年ぶりの準々決勝進出。16日は3回戦の残り4試合が行われ、ベスト8が出そろう。
【試合結果】

 「あと1人、あと1球」が遠かった。3点リードの9回2死一、三塁から8失点。先発した2年生エースの柳は「最後までマウンドを守れなくて悔しい」と号泣し、5失点した2番手・相馬は「負けたのが信じられません。自分のせいで負けた…」とぼう然自失の状態だった。

 「こんな展開は、あまり記憶にない。継投の難しさを感じた」

 5回までに4個の送りバントを全て得点につなげる試合巧者ぶりを発揮。守備も安定し、8回までは完璧な試合運びだった。それだけに、甲子園通算48勝を誇る百戦錬磨の渡辺元智監督もショックを隠せなかった。

 柳は8回まで3安打1失点。完投ペースだったが、9回先頭の浦野に中前打されると、指揮官は迷わず左腕・相馬にスイッチした。「柳の球速が落ちて捉えられていた。今まで継投で勝ってきたし、代えずに負けると悔いが残る。代えざるを得なかった」。だが、これが悪夢の始まりだった。相馬はいきなり青山に右前打を許す。2死までこぎ着けたが、制球が定まらない。中前適時打、死球、右前2点打で同点とされ、さらに四球を与えて降板。3番手・向井、4番手・山内も流れを止めらなかった。

 松坂(レッドソックス)や涌井(西武)のような絶対的なエースがいない今夏は、神奈川大会全7試合を継投で勝ち上がってきた。甲子園初戦も3投手の継投で延長サヨナラ勝ちした。夏の甲子園に14度出場した横浜で3年生以外が背番号1をつけたのは78年、当時1年生だった愛甲猛(元中日)だけ。智弁学園に左打者が多いことも、指揮官の決断を後押ししたが、結果は完全に裏目に出た。渡辺監督は「うまくいかないときは監督の責任。結果を見れば、選手に申し訳ない」。登板した5投手のうち4人が2年生とあり、「2年生は今まで修羅場の経験が少なかった。これを糧にして来年に生かしてほしい」と続けた。

 松坂は2年生だった夏の神奈川大会準決勝でのサヨナラ暴投を糧に、翌98年に春夏連覇を達成している。柳は「今年は甲子園で横浜のエースらしい投球ができなかった。凄い投手になって戻ってきたい」と前を向き、聖地を後にした。

 ≪06年智弁和歌山VS帝京戦以来≫横浜が智弁学園戦の9回に8失点。9回の失点では、06年夏の準々決勝で智弁和歌山が帝京(東東京)戦で記録して以来2度目となる甲子園史上ワーストタイでセンバツでは7失点がワースト記録。これまで横浜の夏の甲子園での1イニングのワースト失点は96年、福井商との3回戦の9回の6失点で、この時も2点差を9回に逆転されて敗退している。センバツでは85年、報徳学園(兵庫)との2回戦の3回に7失点したのがワースト。

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