黒田 今季7度目の無失点、円熟投球で8勝目!!

[ 2011年8月16日 06:00 ]

<ドジャース・アストロズ>7回5安打無失点で8勝目を挙げたドジャース・黒田

ナ・リーグ ドジャ-ス7-0アストロズ

(8月14日 ロサンゼルス)
 ドジャースの黒田博樹投手(36)が14日(日本時間15日)のアストロズ戦で7回5安打無失点で8勝目を挙げた。若手主体の相手に、早いカウントから変化球を投じる頭脳的な投球。今季7度目の無失点試合で、防御率は2・88でリーグ8位に上昇。首位から12ゲーム差の4位とプレーオフ進出は絶望的だが、黒田は目の前の試合に全力を尽くしていく。

 黒田が会心の笑みを見せた。遠征の身支度を終えてスーツ姿で現れると「取材は必要ですか?」とおどけた。7月末にトレードか残留かで思い悩んだ姿はもうない。本拠地では5月17日以来の白星だった。「あまり気にしていなかったが、長かったと思う。どこで勝っても気持ちがいい」。

 相手は来季を見据えて若手を起用した。野手平均年齢は25歳。捕手ナバロは「若手は積極的に振ってくる。早いカウントから決め球で攻めた」と明かした。前回8日のフィリーズ戦で35%だった変化球は、この日106球中52球の49%に上昇。対戦した打者25人のうち、18人に2球目までに変化球を投じ、打ち気をそらした。打線もナ・リーグワーストの援護点(9イニング当たり)3・81だった黒田に今季最多タイの7点をプレゼント。「逆にリズムがおかしくなりそうだった」と笑った。

 黒田が大事にしているものがある。毎週日曜日に球団クラブハウスで礼拝を行うブランドン・キャッシュ牧師からの手紙だ。黒田は礼拝に参加したことはなかったが、そこには「個人の栄光だけを求める現在の大リーグで、チームの一人として戦うことを決めた決断に感動しました。ありがとう」とあった。「(残留か移籍かで)ぶれる部分があったけど、こうやって応援してくれる人がいる。心強かった」。対戦打者のデータを書き込む自身のファイルにはさんで持ち歩いている。

 今季7度目の無失点試合で、防御率はリーグ8位の2・88。プレーオフ進出は絶望的だが「防御率がいいので、このまま。何か目標があるというのは大きい。1試合でも多く勝つこと」。黒田は真っすぐ前を見据えて言った。

 ≪野茂越え日本人2位≫黒田の今季7度目の無失点試合(5イニング以上)は、日本人先発投手では松坂の08年に次ぐ2番目の記録で、残り2カ月で更新は可能だ。通算でも黒田は17度目となり、松坂の16度を抜き、野茂の27度に次ぐ2位に浮上した。また、今季の大リーグではリー(フィリーズ)の8度が最多。黒田は同僚のカーショーと並んで2位タイだ。

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2011年8月16日のニュース