長嶋さんにダブって見えた!長野 気迫の決勝三塁打 

[ 2011年8月14日 06:00 ]

<巨・神>8回、中越えに勝ち越しの2点三塁打を放ち、打球の行方を確認しながら三塁へ走る長野

セ・リーグ 巨人5-2広島

(8月13日 東京D)
 「3番・チョーさん」が帰ってきた。三塁ベース上。巨人・長野は何度も拳を突き上げ、珍しく感情むき出しで喜んだ。5試合ぶりの復帰戦で値千金の決勝打。興奮せずにはいられなかった。

 「思わずやっちゃいました。普段はやらないようにしているのですけど、ベンチを見たらみんなも喜んでいたので」

 同点の8回1死一、二塁。1ストライクから2番手・岸本の140キロ外角直球を捉えた。「抜けてくれ!」。前進守備の中堅手の頭を越す勝ち越しの2点適時三塁打。「イメージはある」という死球の恐怖を乗り越え、外角球に踏み込んだ。

 7日の広島戦(マツダ)で顔面に死球を受け、8日に都内の病院で精密検査を受けた結果、左頬骨にひびが入っていた。医師からは休養を勧められたが「当たったときからそんなに痛みはなかった」と、1日だけ休養し、11日には打撃練習も再開。この日「3番・右翼」で先発出場した。

 まだ腫れの残る顔面は痛々しい。走れば患部に響くのは想像に難くない。それでも12日、死球を当てた今村が謝罪にくると「インコースは投げないでね」と冗談で応じた。実は、長野自身が一番、若い今村を気にかけていたという。

 平成のチョーさんは、勝負強さもミスター級だ。1年目の昨年、不振による2軍落ちから1軍復帰した9月28日の阪神戦(甲子園)で即3安打。新人では長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督に次ぐ、歴代2位の13度目の猛打賞を記録した。10月5日の横浜戦(横浜)では、プロ初1番起用の試合で先頭打者本塁打という球団史上初の快挙も。この日は、顔面死球からの復帰戦で即決勝打。好機が回ってくる強運、そして結果を残す力も長嶋終身名誉監督をほうふつさせる。原監督は「プロですからこういうの(死球負傷)を乗り越えて一流選手になる。糧として強くなってほしい」と評した。

 連敗が止まったチームは借金1。2位阪神には0・5ゲーム差。チームには欠かせないリーグ首位打者の復帰で、反攻は本格化する。

 ≪三塁打は6本目≫長野(巨)が8回に勝ち越しの中越え三塁打。プロ入り以来、三塁打は6本目で、走者を置いて放ったのは初めてだ。9日の横浜戦からケガのため4試合欠場したが、自身4試合以上の欠場は昨年9月18~26日の8試合以来2度目。前回は復帰した28日阪神戦で4打数3安打1打点と活躍しており、ブランク明けでも結果を出している。これでチームの連敗は2でストップ。今季長野は連敗が止まった試合に42打数22安打(打率・524)3本塁打、12打点。今季6V打のうち5度までを連敗を阻止した試合で挙げている。

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