“守備の人”決めた!横浜「不思議」な劇勝発進

[ 2011年8月13日 06:00 ]

<横浜・高崎健康福祉大高崎>サヨナラ打を放った高橋(右から4人目)を中心に喜ぶ横浜ナイン

第93回全国高校野球選手権大会2回戦 横浜6-5高崎健康福祉大高崎

(8月12日 甲子園)
 第93回全国高校野球選手権大会は12日、2回戦4試合が行われた。第3試合では春夏計5度の全国制覇を誇る横浜(神奈川)が、初出場の高崎健康福祉大高崎(群馬)に5点差を追いつかれながら、延長10回2死一、二塁から高橋亮謙内野手(2年)の左前打でサヨナラ勝ちした。また、明豊(大分)、智弁学園(奈良)、金沢(石川)も3回戦に駒を進めた。

 劇的なサヨナラ勝ちにもかかわらず、お立ち台で渡辺元智監督はしきりに首をかしげた。

 「何で勝てたのか不思議なぐらい。終わってみたら勝ってました。力はないんですよ、このチームは。不思議ですね」

 それが伝統の力なのか。延長10回2死一、二塁でサヨナラ打を放ったのは神奈川大会で打率・211の伏兵・高橋だ。「自分で決めてやろうという気持ちはなかったです」。5―5の9回2死三塁では中前に抜けそうな打球を好捕して勝ち越し点を防いだ。本来が「守備の人」の2年生は「お立ち台の気分?意味が分からないです。もう何やってるのか…」と自分でも信じられない様子だった。

 チームには松坂や涌井のようなスターはいない。4回までに5点リードも6回、一挙5失点で同点に追いつかれた。許した安打は自チームより多い14本。圧倒的な強さはないが戦国神奈川を勝ち上がってきた。延長10回は左翼・伊達の好返球で勝ち越し点を防いだ。守って、耐えて相手より1点多く取って勝つ。神奈川大会準々決勝から4戦連続1点差勝ち。これが今年の横浜の野球だ。

 今センバツは初戦で波佐見(長崎)に1―5で完敗した。渡辺監督は主将を近藤から乙坂に代えるショック療法でチームを立て直した。「春と夏は違う。気持ちを入れ替える意味でたまにやる手法です」。横綱相撲ではないが、春より粘り強さが加わった。試合後にここまでユニホームが真っ黒になる横浜も珍しい。

 ▼横浜・乙坂(プロ注目の主将は5打数2安打)このまま(5点リードで)終わるとは思ってなかった。我慢比べだと思った。

 ▼横浜・伊達(延長10回に左翼から勝ち越しを防ぐ補殺)投げたときにいける!と思いました。とにかく低い球を投げようと思いました。

 ▼西武・涌井(05年卒OB)おめでとうございます。同点までは見ていました。次も頑張ってほしいですね。

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2011年8月13日のニュース