畔上「鳥肌」130M弾!日大三、圧倒19安打14点

[ 2011年8月11日 06:00 ]

<日本文理・日大三>5回1死一塁、日大三・畔上は右中間に2点本塁打を放つ(投手・波多野)

第93回全国高校野球選手権大会1回戦 日大三14―3日本文理

(8月10日 甲子園)
 1回戦2試合と2回戦1試合が行われ、第1試合では優勝候補の日大三(西東京)が日本文理(新潟)に14―3で圧勝した。5回に畔上(あぜがみ)翔主将(3年)が特大の2ランを放てば、9番の谷口雄大外野手(3年)が4打数4安打するなど全員安打。今大会最多19安打の猛攻で、強力打線をアピールした。第2試合では、開星(島根)の98キロ巨漢エース白根尚貴投手(3年)が3安打完封。柳井学園(山口)を下し2回戦進出。第3試合は新湊(富山)が龍谷大平安(京都)を下し、3回戦に駒を進めた。
【試合結果】

 プロでもめったに見られない特大弾だった。3―2と勝ち越した直後の5回1死一塁。畔上の放った打球は甲子園の浜風を切り裂き、右中間最深部に飛び込んだ。

 「甲子園は右翼から左翼への風が強いので、捕られるかなと思いました。全力で走っていたので打球の行方は見ていません」。実際は中堅手がすぐに打球を追うのを諦めるほど。推定130メートルの大アーチだった。

 高校通算35本目が聖地での初アーチ。センバツ準々決勝の加古川北戦では大会タイ記録となる1試合6安打を放ったが、一発は格別で「正直、鳥肌が立ちました」。祖父は54年に高橋ユニオンズに在籍した元プロ野球選手の玉川照知朗さん。スタンド観戦した母・昌衛さんは「おじいちゃんのようにプロで活躍したいという思いは強いと思います」と息子の活躍に目を細めた。

 主軸だけではない。9番谷口は内野安打3本を含む5打席全出塁し、4得点と強力打線のスパイスとなる働き。「何とか粘って塁に出ようと思ってました」という谷口は、昨年8月14日の練習試合・東海大仰星戦で、顔面に死球を受け鼻骨を4カ所骨折。それでも「やらせてください」とプレー続行を直訴した頑張り屋。大舞台で全員安打と同校夏の甲子園史上最多となる14得点の原動力となった。

 チーム1、2の練習量を誇る畔上と谷口。入学当初からコンビを組み、自主練習を重ねてきた。朝は午前5時30分から。夜間練習後に室内練習場の鍵を閉めるのはいつもこのコンビだ。小倉全由監督も「2人は最後まで照明をつけて練習してる。畔上はやっぱり頼りになるし、谷口は9番でああいう役割を果たしてくれるから他の打者が打てるんです」と絶賛。昨秋の明治神宮大会を制し、センバツは4強。参加49チーム中、最も安定した戦いを続ける日大三が01年以来、2度目の優勝へ向け好スタートを切った。

 ≪センバツ最多は16点≫出場14度目の日大三が夏の甲子園で2桁得点を挙げたのは4度目で、14得点は過去最多得点。ちなみにセンバツでは過去に6度2桁得点をマークしており、72年に戸畑商から16点を奪ったのが最多。

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