作新学院 江川以来38年ぶり夏1勝!

[ 2011年8月9日 06:00 ]

<福井商・作新学院>9回2死、作新学院・大谷は、最後のバッターを三振に打ち取り吠える

第93回全国高校野球選手権大会1回戦 作新学院11―1福井商

(8月8日 甲子園)
 あの怪物以来、1万3878日ぶりの白星――。古豪が38年ぶりに勝利の凱歌をあげた。1回戦4試合が行われ、第1試合では作新学院(栃木)が福井商(福井)に11―1で大勝。怪物と呼ばれた江川卓氏(56=元巨人)を擁した73年以来、実に38年ぶりに夏の大会での白星を挙げた。また、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、福島、宮城の東北3県のうち、最後に登場した宮城県代表の古川工は唐津商(佐賀)を相手に初戦敗退。如水館(広島)、東大阪大柏原(大阪)も2回戦進出を決めた。
【試合結果】

 38年ぶり。元祖怪物を擁した73年以来、真夏の甲子園で白星を手にした。9回、エースの大谷は最後の打者を6個目の三振に仕留めると、123球を投げ抜いた右の拳を小さく握りしめた。

 「初回から点を取ってくれて楽になった。作新のエースというプライドを持って投げた」。栃木大会では背番号17。大舞台で「1」を背負った自覚が、2年生エースを輝かせた。6点のリードをもらい、初回からエンジン全開。先頭打者にいきなり自己最速の141キロをマークすると、直球を軸にした強気の投球で被安打はわずかに4。栃木大会は継投策で勝ち抜いたが、小針崇宏監督は「行けるところまで(大谷で)行こうと思った」と右腕に全てを託した。

 春夏合わせて15度の出場を誇る名門。00年センバツでは8強入りしたが、近年は夏に弱いイメージが定着しつつあった。最後の夏の勝利は江川卓氏を擁した73年。2回戦敗退だったが、1回戦は延長15回の末に柳川商を下し、江川氏は実に23個の三振を奪った。

 大谷が作新学院進学を決めたきっかけが、その江川氏だった。「テレビで江川さんが甲子園で投げる映像を見て、作新でエースになることを目標にした」。生まれつき左膝の骨が2つに分かれる骨分離症に悩まされ、痛みを消すため2月に手術。担当医には「夏は間に合わない」と言われたが、懸命のリハビリで6月中旬にボールを使った練習を再開し、同月末の帝京との練習試合で完投勝利を収めて復活した。

 部員64人中、3年生はわずか11人。レギュラーには4人だけだ。指揮官から「史上最弱」と言われた1、2年生中心の若いチームが手にした大きな1勝。「プライドを持って伝統の1番を背負う。次も完投する」と大谷。2回戦で唐津商の最速152キロ右腕・北方悠に投げ勝って、偉大な「怪物超え」を見据えている。

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