丸刈り主将が決めた!阿部決勝弾で巨人今季初5連勝

[ 2011年8月8日 06:00 ]

<広・巨>6回無死、阿部が右越えに勝ち越し本塁打を放つ

セ・リーグ 巨人5-3広島

(8月7日 マツダ)
 熱い夏、球児に負けない勢いで巨人が息を吹き返してきた。7日、阿部慎之助捕手(32)が広島戦で入団から11年連続2桁本塁打となる決勝10号ソロを放つなどしてチームは今季初の5連勝。投げては地元・広陵出身の西村健太朗投手(26)が7回2失点で8年目にして凱旋初勝利となる4勝目を飾った。長野久義外野手(26)が頭部へ死球を受けて退場するなど不安材料はあるものの、借金2としたチームがじわりと上位へと近づいた。

 会心の一発に自然と拳を握り締めた。キャプテン阿部のガッツポーズこそが、乗りに乗っているチームの象徴だった。同点の6回、こん身のフルスイングで右翼席へ放り込んだ。球団4人目となるルーキーイヤーから11年連続2桁本塁打が、決勝10号ソロとなった。

 「よかったですね。ドンピシャでした。何とかしたかった。ガッツポーズは自然に出たね。11年?もっともっと上を目指したい」と丸刈り姿の阿部が白い歯をのぞかせた。

 2点リードの5回、同点に追いつかれた。なお2死一、三塁のピンチは何とか丸を空振り三振に仕留めて切り抜けた。直後の決勝メモリアル弾だけに原監督も「もちろんもちろん、大きかった」とうなずいた。

 前日の練習後、阿部は頭を丸刈りにして「修行僧のように頑張りますよ」とおどけてみせた。その上で「自分の中で面倒くさいというのもあるし、気を引き締めるというのもある。これもいいですね」とにやり。甲子園では高校球児が連日、熱戦を繰り広げているが、自身も高校球児のようなさっぱりした頭で、勝利と自身の勲章の一発を決めた。

 原監督もまるで高校野球のようなタクトを振った。8回、大村の右中間二塁打で2点差としてなお無死二塁。寺内のバントで1死三塁とすると、続く藤村にスクイズ。「ランナーとバッターのああいうギリギリのところでスムーズに全てのプレーが行われたのはよかった」とベンチのサインでもぎ取った1点を称えた。その一方で、6回の阿部の勝ち越しアーチの直後の1死満塁から、けん制アウトになった二塁走者の坂本を直後の守備からベンチに下げた。押せ押せムードを台無しにした凡ミスを「ファンの方に申し訳ない。プロとして恥ずかしいプレーだと思う。私も反省しています」と厳しい姿勢で切り捨てた。

 今季初の5連勝で借金は6月7日以来2カ月ぶりに2まで減らした。苦しかった6月、7月の試合前の円陣では「負けたらつまらない。勝たないと面白くないでしょう。勝ちましょう」と言い続けたのは阿部だった。丸刈りキャプテンの気迫と指揮官の厳しさがあれば、まだ上昇気流は加速する。

 ≪高橋由に並ぶ4位タイ≫阿部(巨)が10号勝ち越しソロを放ち、入団1年目の01年からは11年連続の2桁本塁打になった。巨人で10年以上2桁本塁打を続けたのは(☆は入団1年目から)
21年 王  貞治 60~80年
17年 長嶋 茂雄☆58~74年
14年 原  辰徳☆81~94年
11年 高橋 由伸☆90~08年
11年 阿部慎之助☆01~11年
10年 松井 秀喜☆93~02年
 といるが、阿部は松井(現アスレチックス)を抜き高橋由に並ぶ4位タイに浮上した。なお、昨季は自己最多の44本塁打を放ち、うち18本を左腕から稼いでいたが、今季はこの日の一発が初の左腕(投手青木)となった。

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