鳴り物応援なし…53年ぶり一戦で巨人、今季初4連勝

[ 2011年8月7日 06:00 ]

<広・巨>6回2死一塁、広瀬を三振に抑え雄叫びを上げる東野

セ・リーグ 巨人5-2広島

(8月6日 マツダ)
 広島に球音が響いた。広島市南区のマツダスタジアムで6日、「原爆の日」では同市内で53年ぶりとなるプロ野球公式戦、広島―巨人戦が行われた。広島市は、平和を祈ることに専念するため8月6日を市営球場の休場日としてきたが、昨年の条例改定で、試合開催が可能となった。特別な一戦は、巨人・東野峻投手(25)が8回2失点の力投。平和の中で野球ができる喜びをかみしめながらの全力投球で、チームを今季初の4連勝、6月27日以来の3位浮上に導いた。
【試合結果】

 半旗が掲げられ、鳴り物の応援はなし。空に明るさの残る午後5時45分には黙とうが行われるなど、特別な雰囲気の中での一戦で、巨人が今季初の4連勝を飾った。

 「非常に意義がある試合で勝利できたのは、ジャイアンツとしても私としても大きい。広島の人たちは戦後、原爆による被害の中で一生懸命復興された。みんなが必ず立ち直ってみせると必死に生きていたと、先輩たちから聞いていました」

 原監督は振り返ったが、先発再転向後、2試合目の登板となった東野にとっても特別なマウンドだった。3月11日の東日本大震災で地元の茨城県鉾田市が被災。震度6強の揺れに襲われ両親とは翌日まで安否が確認できず、「テレビで見たら通っていた橋がなくなっていた…」と声を落とした。原爆と震災の被害状況や置かれた立場は比較できないが、悲しみは一生消えない。「(原爆被害は)日本で起きたことだから大変悲しい。たくさんのファンが来てくれたので、良い投球ができたらなと思った」と胸中を明かした。

 今季初バッテリーを組んだ実松と新しいスタイルで白星をつかんだ。奪った24アウトのうち、半分の12個が飛球。カーブとチェンジアップの配分をカウント球に増やすことで緩急をつけ、決め球の直球とスライダーが生きた。

 そして闘志に火がついたのが5点リードの6回。突如、制球を乱した。安打と四球で1死一、二塁のピンチ。マウンドへ向かった川口投手総合コーチに「去年のエースは今年のエースじゃないのか!」と叱咤(しった)され、顔つきが変わった。藤村の野選で1点は失ったが、最後は広瀬をスライダーで空振り三振。8回を4安打2失点で投げきり、先発では6月3日の楽天戦(東京ドーム)以来となる4勝目を挙げた。

 「前半戦にチームに迷惑を掛けたので、後半戦は全部勝つつもりで投げたい」

 チームは今季初の4連勝で、最大10あった借金を3まで減らした。53年ぶりの特別な一戦で得た特別な勝利。勝負はこれからだ。 

 ≪2番目に遅い4連勝≫巨人は今季初の4連勝。チームはこの日で85試合を消化したが、2リーグ制後、巨人のシーズン初4連勝が最も遅かったのは97年の101試合目(8月21日)。今季はそれに次ぐ遅い記録になった。この日は小笠原が2安打3打点。7月までは61試合で打率・214、1本塁打、11打点と苦しんだが、今月は打率・438、2本塁打、5打点と復調気配。チーム打率も8月は・308と打線に活気が出てきた。

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