投手も苦しめる統一球 不振の巨人で顕著“QSでも勝てない”

[ 2011年8月2日 08:32 ]

 統一球導入による打者の苦戦は、援護不足という形で一部の先発投手も苦しめる結果になった。ここでは、クオリティースタート(以下QS)投手の勝敗などを昨季と比較し実態を見てみる。

 QSは先発投手の指標として用いられ、6イニング以上、自責点3以下が条件。統一球の恩恵からか、球界全体のQS率も昨季の47%から58%へ上昇している。しかし、QSを記録した投手に白星がついたかどうかを調べると昨季の59%から53%にダウン。球団別の勝利確率を見ても、昨季2チームだけだった50%未満が今季は6球団と、責任を果たしながら白星を逃す先発投手が増えている。

 中でも巨人は39%と唯一の40%未満。阪神もこれに次ぐ43%だが、両軍は昨季の平均得点が5・14(神)、4・94(巨)で12球団のワンツーだった。しかし今季は阪神が3・31、巨人にいたってはブービーの2・84。頼みの強力打線が威力を失い、敵ではなく味方投手を苦しめている。対照的に、パの2強はソフトバンク63%、日本ハム67%の高確率。ソフトバンクは両リーグ最多の3・89点、日本ハムは同2位の3・62点と、平均得点の下げ幅を抑えて投手を援護しているのだ。

 個人別のQS15傑を見ても明暗が分かれた。QS時の勝利確率では、トップの15QSを記録しているダルビッシュ(日)がベストの87%。これに対し、セ最多となる14QSと奮闘するルーキー沢村(巨)は36%。他に、岩田(神=38%)、高崎(横=33%)も30%台だ。ちなみに昨季のQS15傑では岩隈(楽)の45%が最低で、ここまで不遇な投手はいなかった。統一球はこんな面にも影響を及ぼしている。

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2011年8月2日のニュース