帝京・伊藤 最後の夏に156球完投!復肩V

[ 2011年8月1日 06:00 ]

<帝京・関東一>甲子園出場を決め抱き合って喜ぶ伊藤(中央)と石川

東東京大会決勝 帝京6―1関東一

(7月31日 神宮)
 第93回全国高校野球選手権大会(6日から15日間、甲子園)の地方大会は31日、3大会4試合が行われた。東東京大会決勝では、帝京のMAX148キロ右腕のエース伊藤拓郎投手(3年)が、昨年覇者の関東一を相手に1失点完投してチームを2年ぶり12度目の夏の甲子園出場に導いた。1日は大阪大会の決勝が行われ、49代表校が出そろう。また、この日から甲子園練習が始まり、初日は4校が練習した。

 最後は直球にこだわった。変化球のサインに首を振り、帽子が飛ぶほどこん身の力を込めて投げた156球目。141キロの外角直球がミットに吸い込まれると、伊藤は両手を大きく突き上げた。

 「1年夏の東東京大会は(腰痛で)登板がなかった。自分が(甲子園を決める)マウンドにいることがうれしくて涙が出てきた。最後に最高のボールが投げられた」。1年夏の甲子園で1年生史上最速の148キロをマークした右腕は、自身を中心に広がる歓喜の輪の中でこみ上げる感情を抑えきれなかった。

 衝撃のデビューから球速も上がらず、伸び悩んだ。昨秋、今春は都大会初戦敗退。前田三夫監督からは「まだまだ未熟」と厳しく突き放された。この日も3回以降は毎回走者を背負ったが、最速143キロの直球を中心に緩急をつけて打たせて取った。1年時のような剛速球はなくとも、切れ重視でコースにきっちり投げ分けたエースに、指揮官も「慌てずにゆっくり間を取って投げてた。大人になったね」と絶賛。メッツの大慈彌功環太平洋担当部長も「伸び悩んだ原因は股関節の硬さだったけど、だいぶ柔軟性が出てきた。甲子園に行ったらもう一皮むけるのでは」と期待した。

 その伊藤を支えたのが帝京史上初の1年生正捕手の石川亮だ。打っては2安打1打点と援護すれば、捕手としても7回無死一塁から盗塁を刺して三振併殺。「大会を通じて少しずつ合ってきた」と話す石川に、伊藤も「強気にさせてくれるリードで投げやすい」と評価。ゴルフの石川遼と読みが同じ「持ってる」名を持つ。エースに「がむしゃらに投げていた」という自身の1年夏を思い起こさせてくれる適任の女房役だった。

 09年夏、10年春はともに8強。自身3度目の甲子園で狙うは頂点のみ。「一つ一つ勝ち進んでいけば上も見えてくる」。甲子園を沸かせた怪物右腕が、いよいよこの夏のマウンドに帰ってくる。

 ◆伊藤 拓郎(いとう・たくろう)1993年(平5)4月2日、徳島県生まれの18歳。小2で野球を始めて以来、投手一筋。東練馬シニア3年生時に142キロを記録し、日本代表にも選出。1年夏の甲子園で148キロをマークし8強進出。2年センバツも8強。1メートル85、85キロ。右投げ右打ち。

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