黒田 ドジャース残留決断は名誉よりチームへの愛着

[ 2011年8月1日 06:00 ]

ドジャース残留が決まり、打撃練習中にスタジアムを見つめる黒田

 大リーグは30日(日本時間31日)、トレード期限を翌日に控えて移籍が活発化した。ヤンキース、レッドソックスなど5球団以上が獲得に動いていたドジャースの黒田博樹投手(36)は、トレード拒否権を行使しチーム残留を決断。スポニチ本紙に心境を激白した。

 悩み抜いた末に出した答えは残留。他の29球団に対してトレードを拒否する権利を持っていた黒田は、代理人を通じて行使する意思を球団に伝えた。試合前の練習に現れた右腕は、久しぶりに晴れやかな表情を見せた。

 「1年間ここでやると決めたので、全うしようと思った。2カ月だけよそに行って優勝しても心から喜べないと思った」
 この日ネド・コレッティGMから交渉球団のリストを渡される予定だったが、リストを見る前に結論を出した。「米国のメディアには分かってもらえないかもしれないけど、それは日本人の感覚かもしれない」。黒田にはア・リーグ東地区の首位争いを繰り広げるヤンキースとレッドソックスの名門2球団が積極的に動いていたが、借金10で低迷するチームへの愛着の方が上回った。

 GMからトレード交渉を進めることを伝えられたのは、7月18日。一時は移籍へ気持ちが傾きかけた。今季は防御率3・11ながら、打線の援護に恵まれず6勝13敗。現在4連敗中で、27日のロッキーズ戦登板後には「気持ちが動くかも。これが最後かもしれない」と珍しく弱音を吐いた。

 揺れる心境は、大リーグ屈指の左腕に成長した23歳のカーショーにだけ明かしていた。「きのう、迷っていると。そうしたら“Stay Here(ここにずっといてくれ)”って言われた」。黒田を慕い、投球練習は必ず見学に来る若きエースの言葉が心に響いた。

 試合前には首脳陣や同僚から熱い歓迎を受けた。「しんどかったけど、自分の野球観を一から考えることができた。野球人生はどうなるか分からないけど後悔はしない」。次回登板は2日(日本時間3日)のパドレス戦。新たな気持ちで黒田はマウンドに立つ。

 ▼ドジャース・コレッティGM どちらに転んでも良かった。彼の性格を考えれば驚きはない。逆に「移籍する」と言われた方がビックリしただろう。

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