マー君 ダル直伝カーブで10勝目 防御率もトップに

[ 2011年8月1日 06:00 ]

<ロ・楽>4回2死二塁のピンチを内村(左)の好守でしのぎ、田中は笑顔でベンチに戻る

パ・リーグ 楽天2-0ロッテ

(7月31日 QVC)
 楽天の田中将大投手(22)が31日、ロッテ相手に8回7安打を許しながら無失点と粘って3年連続2桁勝利となる10勝目を手にした。本調子でないことを自覚した上で、球宴期間中に兄貴分の日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)から握りを学んだカーブを多投して打たせて取る大人の投球を披露。毎回のように走者を背負いながら要所を抑えた。防御率も1・16として再びリーグトップに躍り出た。

 これまでの田中であれば、失点していたかもしれない。8回で7安打を浴びながら無失点に抑えた。節目の10勝目を挙げ、防御率は1・16でリーグトップとなっても「僕は何もしていない。野手の方たちに助けられた」と反省ばかりが口を突いた。だが、勝因はカーブを多投したことだった。

 24日の球宴第3戦(Kスタ宮城)から中6日と休養万全のはずが、初回に異変を察知した。1死から伊志嶺、井口をともに直球で二飛に仕留めた。得意のスプリットを狙っているかのような沈み込む動きでスイングしたため、結果として飛球になったのを見て「相手に研究されてる。きょうは打たせよう」。2回以降は狙い球を絞らせないため、球宴期間に日本ハム・ダルビッシュから握りを学んだカーブを使うことを決めた。

 田中は昨季途中に佐藤投手コーチからカーブを学んだが、前半戦でも1試合で数球を投げる程度だった。球宴ではダルビッシュから高速、低速の2種類のカーブを学んだ。「(ブルペンで)試してます。挑戦しないと何も変わらない」と語っていたが、この試合では2回から7イニングで120キロ台後半のカーブを実に15球。打者の目先を変えた。データにない球種は相手を翻ろうした。4回1死二塁の里崎には勝負球に使って遊ゴロに抑えた。6回2死二、三塁は代打・清田にスプリットが真ん中に入ったが遊ゴロ。カーブを意識させた結果、狙い球を絞らせず、打ち損じを誘った。

 田中は「ワンパターンな投球は苦しくなったときに対応される。投球に幅があった方が相手も迷うので」と配球について詳細は語らなかったが、本調子でない中で見せた抑える投球。投手としての「幅」を見せた右腕に星野監督は「よく言えば力関係を見て抑えた。10勝でケジメがついた。これから積み重ねてほしいね」と進化を遂げた22歳にさらなる期待を寄せた。

 依然、チームは借金5で4位。Aクラス争いを演じるために、チームにおける田中の存在は大きい。「10勝は1試合1試合の積み重ね。今季が終わったときに“何勝してたんだぁ”という感じになればいい」。楽天投手陣の看板を背負う22歳は2桁勝利で感慨にふける器ではない。

 ≪チーム81試合目は自己最速≫田中(楽)が8回無失点で今季10勝目。2桁勝利は07、09、10年に次いで3年連続4度目になる。高校出5シーズンで4度の2桁勝利は、09年のダルビッシュ(日)と涌井(西)以来。またチーム81試合目での到達は09年の97試合目を上回る自己最速になった。この日は再三走者を出しながら、得点圏では9打数無安打。今季の得点圏被打率は・171でリーグ3位タイと要所で抑えている。これで楽天は継投を含めて7月5完封。過去3度の4完封を抜くチーム月間新となった。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(田中について)ストライクを取りにいった球を打たれて、走者を出してから一生懸命に投げていた。良かったとは言えない。リズムも悪かった。

 ▼楽天・嶋(田中とバッテリーを組んで)スプリットを(相手が)見極めてきていたので、カーブを多めに入れることを心掛けた。

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2011年8月1日のニュース